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7 緊急イベント2


「大丈夫ですか?」


 今度こそ女性を救ったサトシは倒れている彼女へ向かって手を差し伸べる。


「は、はい……。ありがとうございます」


 オドオドした態度でサトシの手を掴むと、彼に引き起こされたセミロングの黒髪女性は小さく頭を下げて礼を言った。


 女性の身長は160くらいだろうか。180近くあるサトシに比べるとかなり差があった。


 立ち上がった黒髪女性はサトシの手をすぐに離すと怯えるように体を小さくする。


 庇護欲を掻き立てるような少し幼さの残る可愛い容姿を歪める様はどこか悪い事をしてしまった気分になってしまう。


「まひろー! 大丈夫ー!?」


 サトシが女性を引き起こしたタイミングで、金髪をサイドで束ねた髪型をした彼女の友人らしき女性が魔法使いの恰好で駆け寄って来た。


「ごめん、まひろ! 人込みに飲まれちゃって!」


「ううん、()()ちゃん。大丈夫だよ」


 両手を合わせて「ごめん、ごめん!」と謝る友人――咲奈に対し、まひろは咲奈と合流できた事でようやく安心したのか安堵の笑みを零す。


「貴方達は……? もしかして」


 謝罪を終えた咲奈は隣に立っていたサトシとツトムに気付き、マスカラとアイシャドウをやや濃く塗った目を鋭くする。 


 友人のまひろをナンパする男だと思ったのだろうか。


 金髪女性のメイクがギャルっぽいのも相まって、黒髪の女性と違って気が強そうな印象を覚える。


「あ、違うよ! この人達に助けてもらったの!」


 しかし、すぐにまひろが慌てて訳を話すと咲奈の顔に浮かんでいた警戒心が消えた。


「そうだったんですか。ごめんなさい」


「い、いえいえ、お気になさらず……」


 勘違いしていた事に頭を下げる咲奈。


 最近は女っ気の無い生活を送っていたからか、それとも気の強そうなイケイケ女子に睨まれたからか、サトシの反応は少々ぎこちなかった。


「合流できたようで良かったです。それでは、私達はこれで――」


「サトシ! また来たぞ!」


 社会人らしい、取引相手とするような言い方で彼女達と別れようとするが再び前方から魔獣がやって来た。


 それに気付いたツトムはスティックを構えてサトシへ接敵を知らせる。


「またか!」


「わわ!」


「きゃあ!」


 可愛らしさなど欠片も無い、腕が6本もある異形な猿の魔獣に恐怖の声を上げた咲奈とまひろ。


 腕をぐるぐると回しながら雄叫びを上げて向かって来た猿の魔獣は子猿のように小さく、他の魔獣と比べて大きくないのが救いだろうか。


 サトシは地面に落ちていた剣を拾い上げ、今度は猿のような姿をした魔獣の攻撃を受け止める。


「うお!? なんだこいつ!?」


 猿の攻撃を受け止めたサトシであったが、相手の腕は6本。残りの腕がサトシの肩と頭を掴む。


 ガパリと鋭利な牙がびっしり生えた口を開けて、サトシの体へ噛み付こうとしてくるではないか。


「ツトム!」


 必死に抵抗するサトシは親友の名を叫んだ。


「ファイアーボール!」


 先ほどと同じように、サトシを狙っている間に魔法で敵を倒す。ベターな戦法を繰り出すツトムであったが……。


「キキッ!」


「うわっ!?」


 魔法の発動を察知したのか、サトシの体を掴んでいた猿の魔獣は拘束を解くとサトシの体を蹴りながらバックステップ。 


「キキィ~……キキッ! キキッ!」


 ツトムの魔法を躱した猿の魔獣は華麗な着地を決めると6本の手を拍手するように打ち鳴らしてニタニタと笑う。


 まるでサトシ達を嘲笑っているようであった。


「挑発してるのか……?」


「うぜえ……」 


 本当に生きているかのような魔獣のリアクション。


 まるで人間よりも自分達魔獣の方が優れた生命体であると言わんばかりの表情と態度にサトシとツトムは苛立ちを感じた。


「このッ!」


 所詮はアトラクションに登場するヤラレ役。サトシとツトムはそう思っていたのだろう。


 だからこそ、剣を振り上げたサトシは猿の魔獣へ向かって駆け出した。


「キキッ!」


「え!?」


 しかし、サトシが振り下ろした剣は猿の魔獣に片手で受け止められてしまう。


 ニヤついた猿が発した鳴き声は「かかったな」と言っているようで、サトシはゾッとするような恐怖を感じた。


「ツ、ツトム!」


「分かってる!」


 親友に助けを求めたサトシ、それに応えるツトム。


「キキー! キッキッキ!」


 サトシの剣を掴む猿の魔獣はツトムの放った魔法に対し、鳴き声を上げながらぴょんとジャンプした。


 そして、掴んでいた剣を持つサトシの腕に絡み付く。


「キキッ!」


「こ、この! 離れろ!」


 サトシの腕に絡み付いた猿の魔獣はサトシの体を伝って彼の背中側へ回った。


 2本の腕で体を掴み、残りの4本の腕はフリー。鳴き声を上げた猿の魔獣はサトシの両頬を掴むとびよんと引っ張った。


「ひゃ、やめひょ!」


「キキッ! キキッ!」


 人を襲う魔獣でありながら、心底人を馬鹿にするような行動である。


 しかもやられているのが27歳サラリーマンとくれば情けなさも半端ない。


「ちょ! た、助けて!」


「待ってろ!」


「あたし達も!」


「う、うん」


 サトシはツトムに助けを求めるが、一部始終を見ていた咲奈とまひろも参戦。


 焦る3人はサトシの背中にいる猿の魔獣へ一斉にスティックを向ける。


 しかし――


「キキーッ!」


「うわッ!?」


 背中にしがみついていた猿の魔獣はサトシの背中を勢いよく蹴飛ばす。


 背中を蹴られた衝撃で地面に倒れ込むサトシ、猿の魔獣が次に飛び掛かったのはツトムであった。


「ちょ!?」


「キッ!」


 さすがに魔法使い3人に狙われてはマズイと思ったのだろうか。ツトムへ飛びついた猿の魔獣から余裕が消えた。


 大口を開け、びっしり生えた牙を鈍く光らせてツトムの首元に噛み付く。


「うわああ!」


 セーフティのおかげで痛みはない。というよりも、魔獣の牙はツトムの皮膚に食い込んでもいない。


 だが、噛みつかれたという事実と猿の魔獣に触れた時に伝わるリアルな感触に、無痛でありながら思わず悲鳴を上げてしまう。


「ひ、ひぃ~!?」


 ボサボサの毛並みと魔獣の持つ体温を確かに感じる。首元に痛みは無いものの、猿の魔獣の口にあった唾液のドロリとした感触と生暖かさ。


 動物に首筋を舐められているような、優しく甘噛みされているような感触と言えばいいだろうか……。


「き、キモチワリィー!」


 見た目は凶悪で恐怖を感じるのに、肌に感じる感覚はくすぐったい。なんともアンバランスで、それが逆に不快感を増幅させる。


 それがツトムにとって最後の言葉だった。叫んだツトムは光になって消えてしまう。


「ツ、ツトムゥー!?」


「え!? き、消えた!?」


 魔獣を倒した時と同じく、冒険者も光になって消えてしまった。


 これが生命力がゼロになった時の『転送』というシステムなのだろうか。


 しかし、叫び声を上げたサトシと咲奈は人が光になって消えるという現象に驚くばかり。これが転送であるとは気付いてはいない様子を見せた。


「光になって――きゃあ!?」


 次に狙われたのはまひろであった。


 ツトムと同じように体へ飛びつかれ、勢いで背中から地面に倒れ込む。


「キキィ」


「いやぁ!」


 ガパリと大口を開けた猿の魔獣が彼女の首へ喰らい付こうとするが――


「このッ! やめろ!」


「キィ!?」


 サトシはまひろを抑え込む猿の魔獣に向かって走り出し、魔獣の尻尾を掴んで引き剥がそうと引っ張った。     


 気を引いた瞬間、持っていた剣を振り上げて攻撃しようとするが……。


 クルリと体を回転させた猿の魔獣は腕を伸ばして、サトシが剣を振り下ろせないよう押さえつけた。


「君達は逃げて!」


 攻撃できない。マズイ、と悟ったのかサトシは2人に逃げるよう叫ぶ。


「キィーッ!」


 まひろへ攻撃する事を邪魔された猿の魔獣は顔を真っ赤にしてサトシの首へ喰らい付いた。


 痛くはない。痛くはないが……動物に体を舐められているような感触。しかも首筋である。


「き、キモチワルゥー!」


 ツトムが叫んだ理由はこれか。そう言いたげにサトシは顔を歪めて光になった。



-----



 光になって転送させられたサトシが感じたのは一瞬の浮遊感であった。


 気持ち悪さに「イ"ィー!」と顔を歪ませたまま、ふわっと体が一瞬だけ浮いてすぐに足が地面に接した感触を覚えた。


「サトシ、やられたのか」


 目を瞑っていたサトシが馴染みの声を聞き、目を開けるとフィールドではなく室内にいた。


 サトシが立っていた場所は室内運動場のような、やや広めの空間。木造で作られた落ち着いた雰囲気のある空間で、壁際には長椅子が並んでいる。


 長椅子に座って休憩している冒険者もいれば、サトシのように立ち止まって「何が起きたのか分からない」とキョロキョロ周囲を見渡す者も。


 そんな中、サトシは決定的な瞬間を見た。


「うそォ!?」


 なんと室内に光の玉が出現したと思いきや、その光の玉が『人』になったのだ。


「ど、どういう……?」


 どういう原理? そう言いたかったようだがサトシは最後まで言い切れなかった。


 今見た光景に驚きすぎて口を開けたまま呆けてしまい、言葉が続かない。


「これが転送なんじゃねえ?」


「いやいや……」


 確かに『転送』らしい。原理は全くもって不明であるが。


 初めての体験に戸惑うサトシであったが、周りを見渡しているとまた別の光の玉が出現。


 人の形になった光から現れたのは先ほどまで一緒にいた咲奈とまひろであった。


 2人もいきなり場所が変わった事で驚きの声を上げ、周囲を見渡した時にサトシと目が合う。


「あ、さっきの!」


 咲奈はサトシ達に気付くとまひろを連れて近寄って来た。


 咲奈は猿の魔獣に噛み付かれ、浮遊感の後にこの場所にいた事を興奮気味に告げる。


 やはり生命力がゼロになると『転送』されてこの場に来るようだ。原理は謎であるが、そういうものであると4人は無理矢理納得するしかなかった。


「2人もやられちゃった? ごめんね」


「いえ、こちらこそごめんなさい。せっかく助けて下さったのに」


 最後まで守ろうとしたが逆に噛みつかれたサトシが申し訳なさそうに言うと、まひろは首を振って否定した。


 まひろはモジモジと体を小さくしながらも少し顔が赤い。


 サトシは小動物のような彼女にドキリとしてしまったのか、気持ちを隠すようにぎこちなく笑った。


「とりあえず移動しない? 外でイベント戦が中継されているらしいよ」


 ツトムが先にあった看板を指差して内容を簡単に告げた。


 3人は彼の提案に同意すると看板に記載されていた通り、外を目指す。


 転送された直後の空間を出ると先にあったのは階段だった。少し長い階段を上って行くと遠くから喧騒が聞こえ始めた。


 階段を上りきると出口は冒険者ギルドの簡易版のような、小さなカウンターがある室内に繋がっていた。


 カウンターの中には獣人系異種族のキャストが座っていて、扉を潜って来たサトシ達を見つけるとニコリと微笑む。


「戦闘、お疲れ様でした。体調に変化はございませんか? 気分が悪くなっていたら申し付け下さい」


 そう言うが、彼女の顔からは「そんな事あり得ない」と言うような余裕があった。きっと業務上決められたセリフを言っているのだろう。


 4人が大丈夫です、と言うと獣人女性はニコリと笑った。


「イベント戦はどうでしたか? イベント戦の魔獣は倒せました?」


 獣人女性の問いにサトシが頷く。


「はい。狼みたいな魔獣は倒せました。1匹だけですけど……」


 あははは、とサトシは困ったような表情を浮かべながら、彼の声音には情けないといった感情が篭っていた。


 しかし、彼が抱いているであろう感情とは裏腹に獣人女性は驚きの表情を浮かべた。


「倒せたんですか? 仮登録で!? 凄いですよ!」


「へっ?」


 獣人女性のリアクションが意外だっただろう。サトシはツトムと顔を見合わせてしまう。


「イベント戦の魔獣は通常フィールドにいる魔獣よりも強いんです。色々と制限が掛かった状態の仮登録で倒せるなんて!」


「は、はぁ……。そ、そうなんですか?」


 サトシ達は彼女の反応が客を楽しませる為のリップサービスとでも思っているのか、浮かべた表情にはまだ恥ずかしさが残る。


 だが、傍から見れば獣人女性の表情は真剣に驚いているように見えた。


 これが演技であれば、獣人女性は瞬く間に日本を代表する女優になれるだろう。 


「是非、本登録をしてお楽しみ下さい! 冒険者ギルドは皆様のご参加をお待ちしております!」


 締めとして、彼女はサトシ達へ本登録をオススメした。


 これは客を沼に堕とす手段か、それとも心から望んでいる事なのだろうか。


「ああ、すいません。引き留めてしまいましたね。イベント戦開催中は死亡扱いになるとフィールドには出れませんが、外でイベント戦の観戦ができますよ」


 獣人女性は再び笑顔を浮かべると外に手を向けた。


 彼女に別れを告げて4人は外に出ると、確かに先ほどまでいたフィールドの様子が封鎖された西門に映し出されている。


 まるで巨大なモニターがあるかのような、鮮明に映し出された映像。多くの来園者や冒険者が椅子に座りながらイベント戦を鑑賞していた。


「もう驚かないぞ」


「そうね……」


 転送なんて体験をしたのだ。ツトムの言葉に同意する咲奈は深く頷いた。


 近くにあったバーの中から応援するような声が聞こえ、サトシが視線を向けると飲食店の中にはモニターが設置されていてイベント戦が中継されているようだ。


 中には特定の人物が映ると歓声を上げて、人物の名を口にする者までいた。 


「あの、たまに人の顔がアップで映ってBランクとかAランクとか表示されるのは何でしょう?」


 西門の巨大映像を指差しながら首を傾げるまひろ。


「ランクってくらいだから、冒険者のランクなんじゃない? 異世界系のラノベにはありがちでしょ?」


 まひろに推測を口にしたのは咲奈だった。どうやら彼女も異世界系ライトノベルを読んだ事があるようだ。


「あー」


「確かに。あの人、Aランクって事は凄い強い人なのかな?」


 なるほど、とまひろが口にしてサトシも続く。


「ねえ。もしよかったら、お昼一緒にどうかしら?」


 サトシの答えを聞いた直後、咲奈は顔を輝かせながらサトシとツトムを食事に誘う。


 女性の方から食事に誘って来た事に意外性を感じたのか、サトシは一瞬だけ驚いた顔を浮かべるがツトムは間髪入れずに「是非」と答えた。 


「美味しそうなお店があったからさ! 行きましょ!」


 咲奈は随分と積極的だった。


 最初は「食事を奢ってもらいたいのかな」と変に警戒していたサトシであったが、レストランに向かう道中ですぐに違うと分かる。


「2人も異世界系のラノベとか好きなの!? そっちのお兄さんはランクの事知ってたし、読んでる感じ!?」


 どうやら同好の士を見つけたからのようで。


 レストランに向かう途中、目を輝かせながら咲奈はサトシに問いかけた。


「咲奈ちゃん、異世界系のラノベが大好きで」


「そうなんだ。俺もよく読むよ」


 まひろが控えめに訳を説明すると、サトシは「なるほど」と納得しながら笑った。


「俺も読むなぁ。最近だと――」


「ああ! それ、あたしも読んでる!」


 ツトムが最近ハマっているタイトルを口にすると咲奈も同じものを読んでいたらしく、内容についての熱い語り合いが始まった。


 先を歩く2人の背中を見ながらサトシはまひろと共に歩いていると、まひろはモジモジしながら隣のサトシを見上げる。


「あ、あの!」


「うん?」


「あ、あの……。フィールドではありがとうございました。2回も助けてもらっちゃって」


 少し頬を赤らめながら恥ずかしそうに言ったまひろは、すぐに顔を反らしてしまう。


「いやいや。そもそも、助けたと言えるのか……。すぐやられちゃったし」


「そんな事ありませんよ」


 苦笑いしたサトシの答えにふるふると首を振ったまひろ。


 それから2人の間には沈黙が数秒続くが、


「でも、楽しかったな。本当に冒険者になったみたいで」


 サトシが笑顔でそう言った。


「私もです。本物の魔法使いになれたみたいで楽しかったです」


 彼の言葉と笑顔を受けて、まひろも可愛らしく笑う。


「だよね」


「はい」


 共に面白かった、と言って笑い合う2人の間には不思議と通じ合うような独特の雰囲気が流れる。


「おおい! 2人とも、こっち!」


 後ろを気にせず語り合いながら話し合っていた咲奈とツトムが、遅れている2人に気付き声を掛けながら手を振った。


 サトシとまひろは小走りで2人に追いつくと一緒にレストランの中へと入って行くのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 有名な高ランク冒険者には二つ名が付くのかな、このトンデモ技術やキャストは本当に地球から来たのかな、と色々想像しながらニヨニヨしています。今後の展開が楽しみです! [一言] 淑女物語の後遺症…
[一言] 淑女から引き続き読ませて頂いてます、ぶっ飛んで無いのですが、面白いです!
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