表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮  作者: 桜水晶
3/11

探し物

もう、この部屋にはいられない。


真琴はこの部屋をあとにし、廊下に出た。


似通った石の扉が、無限に並んでいる。今の部屋の向かって正面の扉を開けた。


なぜか雪が降り積もっている。外だ。冷たい雪を乗せた突風が容赦なく


真琴の顔に吹き付ける。顔が痛い。でもここはまだ探していない。


真琴は、今度はスティックについている紅色の宝石を息で吹いた。


宝石から炎の魂が現れた。真琴はそれを素手で掴み、炎の魂の口(火炎発射口)


を雪に向けた。一瞬で雪は溶け、そこらは水でひたされた。


それから、雪を降らしている源を捕まえて炎の魂で溶かし消した。


視界の障害物が消えたところで、真琴はくまなくこの場所を探した。


魂を探した。でもここにはなんの息吹も感じられなかった。


真琴の探すモノは、無かった。


「外れか。」


より一層、真琴の表情が曇った。さっきまでなら、


莢乃が励まして、まあしょうがないとなっていたのだが、今は一人で


起こりくる感情をすべて押し殺し、何事も無かったかのように


すっきりとした顔をして、また旅を続けたのだった。


さっき登場した「魂」を集めることで、ひょんなことから


迷い込んでしまった、この迷宮から抜けられるはずだったのだ。


莢乃と一緒に抜けられるはずだったのだ・・・。


この異世界と表の世界を結んでいたのは、


地面にぽっかりとあいた1つの穴だった。


最初は岩が置いてあって気がつかなかったが、莢乃と2人でどかした。


そしたら穴が開いていた。13歳の子供たちがぎりぎり通り抜けられる穴だ。


真琴と莢乃の家の近くの茂みにあったのだ。


当然のことながら中が気になってしょうがなかった。あの時はそうだった。


今思えば入らない方がゼッタイに幸せに生きていけた。


疲れしかない。人も殺めてしまった。いいことなど何もない。


いずれここで死ぬことになるんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ