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3.自分が見守りたい推しカプにもし子どもがいたら……という妄想

のんびり更新していきます。

「女神様っ!お目覚めですかっ!」


(……ん?このエエ声は確か賢者なおじいちゃん。もしかしてあのイタイ夢の続きか!)


「この国では賢者と呼ばれております、シロウと申します。早速ですがご神託をいただきたいのですっ!我々はどうすれば良いでしょうか。」


最初の勢いはすぐに消え、話しながら苦悩の表情を浮かべ、最後は悄然と項垂れてしまった。


(エエ声初老の悩ましい表情なかなかエロ渋萌え……はい、自重。なんか頼りにされてるっぽいし、ここはバシッとなんか言わないと。今こそ友人リサーチ結果を示すときっ!)


「賢者シロウよ……子どもが欲しい男性と、生活に安定を求める女性を募り、集めなさい。そして子どもを産んだ家庭へ、子育ての間ずっと金銭補助をすることを約束し、国家主導でお見合いしてもらうのです。」


「しかしながら、女性は男性との恋愛を拒否している様子なのですが……」


シロウおじいちゃんは、私の言葉に焦ったように反論する。


(そもそも男女問わず、みんなが同じ立場や思想ってありえないよね。だから現状男女で結婚する人が1組もいない・子どもを産む人が1人もいないことがおかしいって話だけど。周りの雰囲気に流されてる人や、実際子どもは欲しいけど生活厳しいとかそもそも出会いないとか他の理由もあるはずなんだよなぁ。調査のためにも、結婚に積極的になりそうな層を集めて話を聞いてみたいところ。よし、なんかうまいこと言って説得するか。)


「男性と女性が1対1の恋愛することを強要するのではなく、自分が見守りたい推しカプにもし子どもがいたら……という妄想のために協力を募るのです。集める男性は子どもが欲しい・育てたいという気持ちの強い人とし、10名以上の集団で生活してもらいます。何人かの男性と女性達が協力して子どもを育てるようにすれば、男性は自分の子どもを育てることができ、女性は男性同士が仲良く子どもを育てる様子を見守ることができ、国は人口を増やすことができる。今までこのような取り組みをしていないのであれば、試す価値はあるのではないですか。」


(シェアハウス概念の進化版ですな。前にユミコが「子ども産んだ友達に久々に会ったけど、なんかめっちゃ疲れてた。都会でワンオペ育児するとか無理、ずっと一人で毎日育児とかそりゃ精神死ぬわ。」って話してたけど、人数いれば交代で育児できるし、金銭的にも助け合えそうでいいような気がするなぁ。うまく行くといいけど。)


「おぉ!さすがは女神様です!さっそく王と話してまいります!御前失礼いたします。」


興奮した様子で、足早に去っていくシロウおじいちゃん。白い法衣が翻って窓から入る光が反射し、残像が目に焼き付いた。窓の外は明るく、時計をみると昼過ぎのようだ。


(さっき夜で寝たばっかりなのに。なんか休んだ気がしないわー。そういえばこの夢はいつも同じ寝てる部屋だし、せっかくだから探検しよう!城なんて歩いたことないから、楽しみだなぁ。私の妄想力と夢の表現力に期待!)


起き上がってベットから降りると、素足がひんやりとした大理石の床についてビクッと生理的に震えた。薄く白い半透明の布を巻きつけたような衣服で、立つと床すれすれの裾が歩くたび踏んで転びそうになり、歩きにくい。

やっとの思いで部屋のドアへたどり着き、右手がドアノブを触った時、ビリっと静電気のような痛みを体全体に感じて慌ててドアから離れる。


(出られない。……もしかして閉じ込められてる?)


しばらく呆然として床にうずくまっていたが、石で作られた床の冷たさにノソノソと元いたベットへ戻る。


(つまり私は誰かが部屋へ来ないと、この夢の世界では誰にも会えないし、どこにも行けないと。もうちょっと探検できる夢見ようよー、私ー。つまんないよー。)


自分に文句を言いながらベットに寝転ぶと、いつの間にかウトウトと眠気を思い出し、目を閉じた。

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