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72.さぁ、何人いるのかな?

「ねぇ、起きないの? 寝てるふりって、そのまま本気で寝落ちそうにならない?」


静まり返った部屋に変化なし。


「ふーん。じゃあ次いこうか。ノア! 外の何人いたのか知らないけど連れてきて。雑なのは許す」


「キュ」


白い尻尾が視界から消え、そう待つこともなくノアは帰宅した。


「適当でいいとは言ったけど、窓からって粗いわね」


広間で唯一大きな木の開閉の窓から固まりが飛んできたのだ。おそらく、咥えて放り投げているんだろう。


さてさて、投げ込まれてきた数は。


「3人か。少ないのかよく分からない。あ、サイズ戻っていいよ。手伝ってくれてありがと。後でブラッシング長めにしてあげるね」


「クルル!」


窓から大きな顔を出していたノアは、嬉しいのか甘えた声を出し、顔をひっこめた。


私は、距離をおきながらノアからの手みやげを観察してみた。3人とも意識はなさそう。


「光、この三人生きてる?」


一番近くにいた光に聞いてみた。


『呼吸はしているようですから、生きています』


いや、相変わらず不安だわ。

アバウト過ぎでしょ。


「とりあえず時間たてば元の健康体にはなる?」


『はい。風が、ヒビや折れた箇所を治せば問題ないかと』


ノア、アンタどういう戦い方をしたの?


そりゃあ、致命傷にならなければいいとは指示したけどさ。光だけではなく、ノアも問題児いや問題獣かと一人心の中で呟きこめかみを揉む。


「ま、終わった事は仕方がない。この人達は置いといて」


とりあえず先、進めるか。


いまだ静かな部屋に最後の警告として呼び掛ける。


「周りは強い結界で外からの侵入は不可能という事は逆に安心じゃない? どうなのよ? ここまで言って無理なら、もう強硬手段をとる。でも、きっと命がけで来ているんだろうし穏便にとはいかないかなぁ」


ふと、あのダッガーの汚い、でも効果抜群の方法をとる事にした。


「ねぇ、水、今から言う人達の中に入って、その人にとって自分より大切だという人の名前を教えてくれない? そうしたら火に頼んで力を飛ばして、その人達を」


椅子の音が響いた。

それは一つではない。


「本当にあんたは、救世主なのか?」


「違うように見えます」


「「でも神器達、とても綺麗だよ」」


中に4人、外に3人の計7人か。

いや、まだいたようだ。


「…残念だわ」


8人目は、もはや行動を共にしてきて馴染みつつある人物。


「ナウル君」


名を呼ばれた彼は、ぼんやりとした視線を此方に向けた。




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