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24.選択はきまりきってるけど。

『お姉さん?』

「あっ、ごめん」


緑髪の少年、風が不思議そうに私を見上げている。私はため息をついた。


勿論その選択しかない。


私は、薬指から指輪を抜き少年に差し出し、リューナットさんを指差し頼む。


「あのお兄さんを助けて」

『わかった』

「って!少年?!」


私は風の腕を引っ張ったけど間に合わなかった。


ゴクン。


なんと風は、私から指輪を受けとると、それを口に入れ飲み込んだのだ。


「いやいや!何してんの?!」

『大丈夫ですよ、ユラ』


吐きなさいと少年の背中を叩こうとして光に止められた。


「いや!大丈夫じゃないでしょ!」


詰まるよ!


焦る私に風が教えてくれた。


『飲み込んだ方が僕も完全じゃないけど浄化されるから』

「…そうなの?」

『うん』


ぼんやりとした表情の風がコクリと頷き私の顔を見つめて呟いた。


『お姉さんは、今とても不安定だから浄化は無理。揺れてる』


風は、私の心が乱れてると言いたいのだろう。

そんなの自分で気づいてるわよ。


でもどうしようもない。


少年は視線を光に移した。


『光、だから手伝って』

『ええ』


風と光は、横たわるリューナットさんへ近づいて行く。

…私ってなんか役立たずだ。

聞こえたの?

というくらいのタイミングで風が振り向いた。


『僕を後で楽にして』


そう言いニッコリ笑った。

笑うと年相応の顔だ。


子供にフォローされた気分でなんか面白くないぞ。


光と風は、リューナットさんの膝辺りに手をあて何かを呟いたと思ったら二人の手からそれぞれ、風は淡いグリーン、光は白の光を発生させ徐々にその輝きは収まっていった。輝きがなくなったそこには、むきだしの足。


「…よかった」


私は緊張が解けしゃがみこんだ。

そんな私に光が上から話しかけてくる。


『まだやる事あるんですよね? 早くしないと皆、目を覚ましますよ』


「…あなた、キレイな顔して鬼よね」

『オニとは?』

「こっちの話」


首を傾げる光になんでもないと、手をヒラヒラした。ハイハイ。わかってるわよ。


私は、もう一仕事する為にヨロヨロと立ち上がった。


「老体にはキツいわ~」


思わずでた呟きは許してほしい。

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