17.リアンヌ達は
~ リアンヌ ~
「私もでございますか?」
「ああ」
「俺は嫌だ」
ユラ様がお休みになられた深夜、ラジウス様達に城の隅の音遮断と防御が強くかけられた部屋へ連れてこられた。
年寄りは早く寝ないと動けないのだけど。
心の中でため息をついた。
ラジウス様が、先程ユラ様と話していた内容を私に話し尋ねられた。
「どう思う?」
「私に何を求めているのですか?」
今度は隠さずため息をついた。
「ラジウス様は、ユラ様と共に動く事により他国との影響は避けられない事は分かりきっているのに団長就任の延期を願い出た」
今では随分落ち着いたリューナットへちらりと視線を向ければ嫌そうな顔。
昔のあなたは、本当に手がかかりましたよ。
「貴方も確か長く他国への潜入が終わり、最近帰国したのに、わざわざ危険の高い彼女の護衛に就いた」
立ち上がり二人を見下ろす。
「その行動で分かりきっているのでは?」
あなた方は、既に決断しているのですよ。
あの少女、いえ、女性を護ると。
まあ、私も同じですけれど。
「明日がありますので失礼致しますわ」
パタン
~ ラジウス&リューナット ~
「呼んだのは、無駄だったようだ」
「だから、あのばーさん嫌なんだよ」
「だが、リアンヌの様子をみて分かった事もある」
「あ?」
ガシガシと頭を掻くリューが面倒そうに聞く。
「リアンヌは、ユラをかなり気に入っているという事だ」
「それが何なんだよ」
「俺達がユラにつくのは間違っていないという事だ」
「だから?本人が意識してるか知らんが俺らに重要な事をまだ話してない嬢ちゃんを100パーセント信用すると?」
リューは、寝るわと立ち上がり、去り際に。
「嬢ちゃんの前で言った事は嘘じゃないぜ」
゛だから俺と副団長がいるんだろ?"
「なんか、ほっとけねーんだよなぁ。あと嬢ちゃんについていったら面白いもん見れる気がするしな。では、失礼致します」
パタン
「面白いものか…」
一人部屋に残され、背もたれに背を預け力を抜いた。彼女とは、出会いからしていいとは言えなかった。
リアンヌが言ったように、彼女についていくとなると、他国はミュランが背後で動いていると判断するだろう。シルビアとユラの施した結界で守られているとはいえ何事も絶対などはない。無駄だが外見だけでも変えるか。
「フッ…リアンヌの言うとおりだ」
彼女の側を離れるという選択肢を俺は考えていないな。リスクが高いはずなのに何故だろう?
自国にまで悪影響が出る可能性は高い。
リューは、"ほっとけない、面白い"
では、俺は?
答えはまだ出そうになかった。