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New Origin On-line 【ニューオリジン・オンライン】  作者: ShirukumA
序章 暇つぶしのゲーム選び
4/4

はい、チュートリアルです。

かなり遅くなりました。新学期とかで忙しかったんです、察してくださいm(__)m

 日が昇り終わる頃に起きた俺は、若干寝ぼけながら階段を降り、リビングへ向かった。

 水を飲もうと思い、食器棚からコップを取ろうとした時、寝ぼけていたせいかいつもより力を込めすぎてしまった。


 その結果、コップはグニャリと潰れてしまい、二度とコップとしての役目を果たせなくなってしまった。


「はぁ……またやってしまった。最近は、こういう事あまりなかったんだが……」


 俺はそう言いながら、食器棚から別のコップを取り出すのだった。




 俺が朝食を作り始めてから数十分後、起きてきた琴音がリビングに入ると、俺に挨拶をしながら食器棚の方へ向かっていく。


「あ! にーちゃんまたコップ壊したの!?」


 そんな声が聞こえ、琴音の方を向くと、琴音の目の前には、先ほど俺が握り潰したコップが置いてあった。


「にーちゃん……今更どうこう言うつもりはないんだけどさ、これステンレス製のコップだよ? なんか昔より力強くなってない?」


 琴音からそんな事を言われ改めて考えてみるが、確かに昔は、少し力加減を間違えただけではこんな威力にはならなかったはずだ。


「確かにそうかもな、身体の成長に伴って力自体も成長しているのかもしれない」


「んー、私これ以上硬いコップ知らないよ? 流石にこれ以上力が強くなったら色々と大変なんだけど……」


 俺の言った事に対して、琴音が困ったように返答した。

 確かにこれ以上力が強くなるのは面倒だな……


「そうならないように、何とかコントロールできるように頑張ってみるさ」


「それはありがたいんだけど……あんまり無理はしないでね?」


「あぁ、あまり無理はするつもりないよ、ありがとな琴音。さて、丁度朝食もできたしそろそろ朝ごはんにしようか」


 そのような会話をしながら、俺はできた料理をテーブルの上に置いていく。




 朝食を食べ終わり、俺は後片付けをしながら少し気になった事を琴音に聞いてみた。


「なぁ琴音、NOOの武器スキルって何にしたんだ?」


「んー? 武器スキルー? えっとねー、私はエストックを選んだんだよー」


 そんな間延びした声で琴音が言った。

 へぇ、エストックなんていうマイナーな武器もあるのか……


「にーちゃんは武器スキル何にしたの?」


「俺は糸だよ、糸」


 俺は琴音からされた質問に、手短に答えた。


「え!? 糸ってあの誰もまともに扱えなかったっていう!?」


 琴音は驚きながら俺に質問した。


「糸っていったら一つだけだと思うが……誰も扱えなかったとはどういう事だ?」


「わたしも試しに使ってみたんだけど、革の手袋が現れるだけで、何をしても糸なんか出てこなかったんだよ。試しに使った他のプレイヤーも、同じ症状をネットに書き込んでるみたいで……」



 どういう事だ? 俺のときは普通に糸が出てきたんだが……やり方の問題なのか? それとも他に何か……


「この謎っぷりで、不遇武器ってレッテル貼られてるちゃってるから、いろいろ大変だと思うけど頑張ってねにーちゃん!」


 俺が考え込んでいると、琴音が俺を励ますように応援の言葉を送ってくる。


「あぁ、俺的にこの武器は気に入ってるからな、精一杯頑張るよ。それじゃあ、正式サービスは十三時からだし部屋に戻るよ。後片付けも終わったしな」


 俺はそう言い、自分の部屋に戻っていった。




 部屋に戻った俺は、十三時になるまで適当に時間を潰し、十二時五十五分頃にクライムをかぶり、サービス開始の時刻まで待ってゲームにログインした。




 ログインすると前来たときとは逆の、天井が黒で床が白の空間にいた。

 周りを見渡していると、突然目の前に赤髪の、見た目十歳ぐらいの女の子が出現した。


「はいはーい! いきなり出てきてビックリしてるかな? チュートリアル担当AIのカチュアちゃんだ! よろしくね〜」




 ……これはまたアインスとは随分違うタイプのAIだな……

 俺がそんなことを考えていると、カチュアがチュートリアルの説明をし始めた。


「えーっとねー、チュートリアルはこのゲームの世界観やクリア目標などを説明していくよ! たまにチュートリアルなんか受けなくていい! なんて言う人もいるから、受けるか受けないかは選択できるけどどうする〜?」


「俺は受けておくとするよ」


 チュートリアルの中にも有用な情報があるかもしれないしな……そう思い、俺はチュートリアルを受けることにした。


 「じゃあ説明していくよー、質問とかあった気軽に聞いてねー。ごほん、それでは始めるよ。この世界には最下層から最上層までがあって、貴方は最下層からスタートだよ。クリア条件は最上層のダンジョンを攻略することだよ。上の層に上がるには、その街の中心にあるダンジョンを攻略することで、上の層に行くための転移装置が起動する仕組みになってるよ、でもいきなり中心のダンジョンに挑むのはやめたほうがいいかなー」


「ん? なんでだ? それを攻略しないと上にはいけないんじゃないのか?」


 俺はカチュアに素朴な疑問をぶつける。


「それはねー? 中心のダンジョンはめちゃくちゃ強んだよー、だから東西南北に一つづつある簡単な方のダンジョンをクリアしてからのほうが攻略しやすいと思うよ。」


「ふむ……ちなみにどれくらい差があるんだ?中心のダンジョンとそれ以外のダンジョンでは」


 一応知っておかないと誤ったレベルで挑戦することになりそうだからな


「えっとねー、他のダンジョンの攻略難度を仮に十としたら、中心のダンジョンの攻略難度は四十ぐらいかな?」


「成る程……四倍も違うのか……て事は、東西南北のダンジョンを攻略したパーティーを四つ集めてやっと攻略できる難易度って事か、ソロでは厳しそうな難易度設定だなこれは……」


 俺は当分ソロでやっていこうと思っていたから、この難易度設定には厳しいものがあるな……


「へー、ソロでやるつもりなんだー、じゃあちょっといい情報を教えてあげよう。ソロのプレイヤー、厳密にはパーティーを一度も組んだことがないプレイヤーだと、経験値が二倍になるんだよ。運営からのちょっとした気遣い程度のアドバンテージだけど、これで少しは楽になるはずだよ。」


「そいつはありがたい、ソロにも少しは希望が見えてきたよ。しかし、一度もパーティーを組まないっていう条件もどうかと思うがなぁ……」


 そんな条件を満たしているプレイヤーなんて、数えるほどしかいないのではないだろうか……


「確かにね、そんなプレイヤーなかなかいないと思うよ? でもそれぐらいしないとゲームバランスが崩れちゃうからね、仕方なくだよ?」


 「あぁ、勿論それぐらいは理解しているつもりだ。そのことに対してどうこう言うつもりはないよ」


 ソロでやれば経験値二倍っていう情報を知れただけでも充分だしな


「それならよかったよー、じゃあ私からの説明は以上だけど、何か質問あるー?」


「いや、さっきの質問以外は特に気になった事はないよ」


「そっかー、あー疲れたー、こういう説明は私には向いてないと思うんだけどなー。まぁいっか! それじゃあさっさと貴方をゲームの世界にお送りしちゃおーう! また機会があったらあおーねー、ばいばーい」


 カチュアがそう言うと、目の前がまばゆい光に包まれていき、心地よい浮遊感が俺を包んだ……




 浮遊感が収まり、目の前がはっきりと見えるようになると、俺は全く見知らぬ教会に立っていた。

次の話で冒険が始まる気がします(苦笑)

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