彼らのその後 五
「添はいつも豆乳飲んでるよね。好きなの?」
「うん、大豆は健康に良いし…。」
「大豆自体が好きなんだ。」
「うん…。」
「確かに、添って何か儚げなオーラ放ってるもんね。もっと健康的にならないと、この先苦労するよ。」
「…。」
「それにしても添ん家って、いつも賑わっててすごいよね。」
「そう…?」
「うん、特に添がいる時はお客さんの入りが違う気がするよ。」
「ふーん、そうなんだ…。」
「前にそんな妖怪の名前を聞いたことがあるような…。」
「妖怪…?」
「そう、住み着いた家を幸せにしてくれるんだよ。確か…。」
「座敷童子…?」
「それだ!…って、何で知ってたの?」
「好きだから…。」
「え…?」
「昔話…。」
「あ、うん。」
「…どうしたの…?」
「な、何でもないっ!」
「もしかして、好きって言って欲しいの?」
「ちち、違う違う。そんなことないもん!」
「ふーん…?」
「…嘘。だって、最近言ってくれないんだもん。私のこと、もう好きじゃなくなっちゃったのかなとか…ちょっと考えちゃったっていうか…。」
「そうなんだ…。」
「そうだよ。おかしいよね。柄にもなく、落ち込んだりしてさ。」
「うん、でも嬉しい…。」
「えー、何で?人が落ち込んでるって言ってるのに。」
「俺のこと、好きって思ってくれてるんだなって…。俺も、触のことが好きだから…。」
「え?」
「ごめんね、不安にさせて…。」
「い、良いよ。もう…。」
「そうだ!そんなことより、今日はこれをあげようと思ってたんだ。はい、誕生日おめでとう!」
「襟巻き…?」
「うん!頑張って作ったんだよ、添の為に。」
「ありがとう…。」
「どう、気に入ってくれた?私の渾身の作品なんだけど!」
「うん、大切にする…。」
「う、うん…。」
「触、照れてる…?」
「照れてない!あ、そう言えばちょっと暑くない?」
「…?さっき寒いって、暖房入れたばっかりだけど…?」
「いやいや、暑いって。」
「じゃあ、外行く…?」
「そうだね、そうしよう!」
「どこ行こうか…?」
「えっとね…。」




