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彼らのその後 二
「人が必死に探してたのに、こんなところでぼーっとしてる。」
「紡を待ってたんだよ。」
「本当に…?」
「たまにはこういうのも良いだろ?」
「…たまにはね。」
「俺さ、川って好きなんだ。四季折々で見飽きないし、せせらぎの音も何か落ち着くからかな。」
「そうだね、それは分かるかも。私も川は好きだから。」
「そっか。」
「紡。」
「ん?」
「ちょっと俺の名前呼んでよ。」
「な、何で?」
「何となく、気分的に。」
「そんなふわっとした理由で…。」
「嫌なら良いけど。」
「…待。」
「ん?」
「いや、待が呼べって言ったんじゃん。」
「まあ、そうだけど。何か嬉しくてさ。」
「こんなことが?」
「そうだよ、変か?」
「うん、でも良いんじゃないかな。…その、私も同じだし。」
「そっか。」




