強さの真髄 二
「で、できた…!」
「うん、よく頑張ったね。」
「ありがとうございます!師匠のお陰で、僕強くなれました!」
「君は元々強いよ。」
「…?」
「学。前にも言ったけど、目に見える力だけが強さじゃないんだよ。自分の弱さと向き合うのも、立派な強さなんだ。」
「弱さと向き合う?」
「そう。君は弱い自分を変えたくて僕のところに来たんでしょ?」
「はい。」
「そして、毎日できないことをできるようになろうと頑張った。それだけでも立派な強さじゃないか。今の君ならもう、怖いものなんてないはずだよ。」
「そ、そっか…。そういうことなんですね!」
「分かってくれた?」
「はい、流石師匠!」
「ありがとう。」
「お前、最近狗神様の元で修業してたらしいな。」
「そうだよ。」
「それで、ちょっとは強くなったのか?」
「僕は強いから、もう泣かないよ。」
「ほう、少しはやるようになったではないか。しかし、その程度ではまだまだおいらの足元にも及ばないな。これでどうだ!」
「何の!」
「…はあ、はあ…。な、中々だ。今日はこの辺にしておいてやる。」
「はあ、はあ…。や、やった…!」
「強くなったね、学。」
「大蛇さん。」
「狗神様の元へ行って、何かを掴んだようではないか。」
「うん、僕分かったんだ。」
「ほう?」
「強さは、腕っぷしの力だけじゃないんだって。こうして霊術を扱えるようになる為に諦めずに修業したのも僕に強さがあるからだって、師匠は教えてくれたんだ。」
「そうかい、学は良き師に出会えたんだね。」
「うん。ありがとう、大蛇さん。」
「どういたしまして。」
「あれ、貴方は…?」
「おお、そなたはいつぞやの…。」
「そんなところで、どうしたんですか?」
「いや何、突然の強風に煽られてしまってな。気付いたらごらんの通りじゃ。」
「困ってるんですね。ちょっと待っててください。」
「これで良し、と。」
「おお、忝ない。それにしても、そなたがこんな術を使えるとは思わなんだ。儂は驚いたぞ。」
「狗神様の元で修業したんです。」
「成る程、あの日狗護神社に向かっていたのはそういう訳じゃったか。」
「はい、お陰様で強くなれました!あの時は、ありがとうございました。」
「うむうむ。あの日助けたそなたに今度はこうして助けられるとは、中々感慨深いものがあるわい。儂こそ、改めて礼を言おう。」
「へへ…。」
「ではな。」
「はい、さようなら。」




