ファミレスでの子供のわがまま
少し小腹が空いたので、何か食べに行こうかと、自転車に乗って出かけることにした。
さてどこに行こうかと迷った末に、自転車で数分のところにあるファミレスに入った。
店外から見ると込み合っていると思われたが、ちょうど昼食時が終わる頃で、案外空席が多かった。そのため、案内されるのにさほど時間はかからなかった
とはいえ、一人でやってきたのに四人席とは落ち着かないものだ。そもそも、ファミレスに一人で来るというのも少し考え物だとも思った。
メニューを見て散々迷ったが、ハンバーグステーキのセットとドリンクバーを注文した。しばらくして一つため息をつく。
こんなに注文するんじゃなかったかと若干後悔した。あるいは、入る店を間違えたか、と。
とりあえずドリンクバーで飲み物を注ぎ、自分の席に戻る。料理が来るまでの間、携帯電話をいじって時間を潰した。
そういえば、セットにはライスバーとサラダバー、さらにはスープバーも付いていただった。カレーも食べ放題ということだが、さすがにそこまでは食べきれない。
とりあえず、サラダとスープを注ぎ、席で時間を潰す。
適度に温度管理された空調が心地よい。ときどき周りの席を見ると、一人、また一人と席を立っていた。
しばらくすると注文していたハンバーグステーキが来たので、ライスを取ってきて再び席に付いた。
恐らく普段ならライスを何杯もお替りしていただろうが、今日はそこまでの食欲は無い。
とりあえず肉を切っては口に運び、その後ライスを口に運ぶ。
時々サラダを口にしながら、腹を徐々に満たしていった。
ふと隣を見ると、二家族くらいの客が、同じく食事を楽しんでいるのが見えた。
小さい女の子が二人と、男の子が一人、一歳になるかどうか位の赤ちゃんに、その子らの親だと思われる女性が二人いた。
彼女らも軽食をしに来たのだろう。テーブルの上にはスパゲティとグラタンと思われる皿が並べられてあった。
小さい子供はお子様プレートだろうか。それと、中央にはフライドポテトも見られた。
小さい子供はやはり子供らしく、自分の食事を終えると退屈しているのか、席を離れようとしたり、自分の母親と思われる女性にちょっかいをだしたり、あるいは他の子供と戯れようとしていたりする。
そのたびに母親に怒鳴られたり、頭を叩かれたりしていた。なんだか、その光景がほほえましくも思える。
メインのハンバーグステーキを食べ終え、もう少し食べようと思い、サラダとスープをお替りする。
席についてサラダを一口運ぶと、隣の子供の女の子がじっとこちらを見ている。
何事だろう、と思いながらにこりと笑顔を一つ返し、再びサラダを口にする。
が、今度はその女の子がこちらに寄ってきた。
しばらくじっとこちらを見ていたが、かまわずサラダとスープを口にする。
すると、女の子は母親のほうを向き、店中に響くのではないかというような声で叫んだ。
「ママ、お兄ちゃんのサラダ食べたい!」
そう言って、女の子は目の前のサラダを指差した。その家族のテーブルには、サラダらしき皿は置いていない。
「ダメよ、それはお兄ちゃんのなんだから」
きっちり、母親が女の子をしかりつけ、手を引っ張って自分のテーブルに引き寄せた。
「ヤダ! サラダ食べる! サラダ食べる!」
女の子は母親に引っ張られながらじたばたし、挙句の果てに泣き始めた。
やれやれ仕方ない、と思いながら、席を立ってその子の母親に言った。
「えっと、よければサラダ、取ってきましょうか?」
きょとんとする女の子の母親。
「いや、いいですよ。それ、お兄さんのでしょ? それに、私たちサラダバーは頼んでいませんから」
「いえ、そうでなくて」
一呼吸置いて、続けた。
「ここ、全メニューにライスバー、スープバー、サラダバー、カレーバーが付いているんですよ。グラタンにも、パスタにも」
最近のファミレスって、いろいろセットになっていることが多くてややこしいのです。単品があるところもあるのですが、全部セットで、っていうところとか。
ちなみに、この前小腹が空いて軽食とドリンクバーでゆっくりしようとしたら、全品ライスバー、スープバー、サラダバー、カレーバーが付いていて「こんなにくえねぇよ!」とか思いました。
ちなみに上位の食べ放題は注文から2時間まで、ドリンクバーは制限無しなのです。
なので、ドリンクバーだけ別注文になっているようです。