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学問にワクワクしてくれ


 相変わらず眠くなるタイトルのつけかたで恐縮でございます!


 年度末です、学年末です。

 来月からは「大学生」の身分になるひともいらっしゃるのではないかと思います。

 ん、別に高校生でも、読んでいただければ大変にありがたいです!

 ただ、ちょっくら難しいことも書くかもしれませんので、分からないところがあったら

「わかんねーぞ、おい」

 とでも感想に書いておいていただけると嬉しいですね。

 ドコが分かりづらいのか、ってことまで書いていただければ、できるだけ分かりやすく解説しなおそうと思いますので、もう、徹底的にムチ打ってくださいませませ♪


 あ、もちろん大学生になるんだ、というかたは大歓迎ですよ!

 もちろん、もう学生なんて遠い昔のことさ、ってタソガレてしまう昭和生まれのかたも。

 大々々々々っっ歓迎です!

 んも~、あれよ、読んでくださるだけで僕としてはハピネス。

 感想なんかもらえた日には、その日に死んでしまってもかまわない、くらいの感激でありまする!


 ちょっと大げさ、と、言われそうですが、わりとマジなんで、そこらへんヨロシクどうぞ。


 んじゃ、ま、おっぱじめますかね。

 前置きが長くてごめんあそばせ。




 んでは、まずはこう質問しようかな、と。


「学問とはなにか?」


 まあ、こんなもんに正解なんかあるのか、という類の質問でありますが、どうでしょ?

 あなたさまの頭のなかに「絶対これが正解だ!!」と言い張れるような回答はありますか?

 もしくは「こんなんどうよ?」といったような、おもしろ回答でもいいのですが、あります?


 学問の入り口に立とうとするとき、この動作って結構重要です。

 別にテストにでるわけじゃないですが、実はいま、かなり大切な段階を踏もうとしています。


「いまから何かの話をするよ」

 というとき

「おい、それ何の話なんだよ」

 だと、もう、学問もなにもあったもんじゃないわけで。


「いまから学問の話をするよ」

 と、いま僕は言おうとしています。

「おい、学問ってなんなんだよ」

 となったら、そこで試合終了。





 なので、まず「学問」というものを「定義」します。


 これは「定義づけ」といって、どんなジャンルの学問にいっても、知らないのと知ってるのとでは大違いなんであります。




 いまマナ板にのせてる「学問」という言葉は日常でも使いますが、

「いまから『ジャラールッディーンムハンマドルーミー』の話をするよ~」

 とか言われたら、

「まず『ジャラールッディーンムハンマドルーミー』ってのがなんなのか教えてくれ!」

 って、怒鳴り散らしたくなりますでしょ?(ちなみに人物名なのですけどね)



 この「学問」というワードだって、日常に使う言葉だからこそ!!

 ひとりひとり、違う意味で捉えてる可能性があります。

「おれにとって『学問』ってのは『勉強すること』だ」

「わたしにとって『学問』というのは『知識を集めること』だ」

「あたくしにとって『学問』というのは『人間の精神活動全般』ざます」

 って、いろんな人がいろんな解釈をしながら読み進めてしまったら、とんでもない誤解と混乱のルツボに陥ってしまうこともありえますねえ。


 だから、まず、ぼくが語ろうとしている「学問」ってものは、こういう意味ですよ、ということを最初に決めます。

 これが「定義づけ」。




 こっから先、同じワードを使っていくけど、このワードの意味は最初に定義して示しておきますよ、という、何かを述べようとするときの前準備なんですね。


 で、一応、注意事項がありまして、定義づけは、ある程度は自分勝手にやれますが「そんなワケあるかい!!」っていわれてしまうような意味をつけたらいけません。

 例えば「学問とは、大根をすりおろして焼き魚の側に供するものである」とかやらかしたら、凶悪な誤解と邪悪な混乱のルツボに陥ることになりましょう。


 だから「自分勝手に定義づけする」よりは、すでに使いまわされていて、誰でもが「ああ、確かにその言葉はそんな意味だわなあ」と納得できる定義にしてしまうほうが良さげです。


 専門的すぎる学術用語でない限りは、おおむね国語辞典の意味を参考にするのが手っ取り早いです。

 学術用語のばあいは、それ専用の定義集とか事典に採録されている定義を使うほうがいいでしょうね。

 ほとんど手付かずで誰も定義をつけていないワードがもしあったら、自分でつっこまれないように考えてやらなきゃなりませんが、そんな機会は滅多にないでしょう。




 さ、ともかく、学問を定義づけしよう。

 みなさまは「学問」と言葉があったら、どんな定義をつけるでしょうね?


 ぼくは、本稿での「学問」の定義を次のようにします。


【定義】

 学問とは、知的な冒険をいう。


 ……。

 たぶん、これほど適当な定義をしたら、いろんな学会からこっぴどく怒られますので、どうぞ内緒にしてやってくださいませ。


 ほい、さらに。

【定義】

 冒険とは、危険を顧みず自身が興奮するものごとに全力でぶつかることをいう。


 ……。

 ま……、まあ……、雑な定義だというのは認めます。

 が、いかがでしょう、否定できますか?

 ツッコミいれられますか?


 ともかく、誤解をうけそうだな、ということば(マジック・ワードといったりします)があったら、

「自分はこういう意味で使いますから! 夜露苦死!」

 といった感じで定義を次々につけていきます。

 絶対に誤解されないような言葉はいちいち定義づけしていられませんが

「自分が言いたいことをいうためには、このワードが誤解されちゃこまるんだ」

 というときは、徹底的に定義をつけていきます。


 さて、定義のなかに、さらに定義づけしなくちゃならないようなワードを含めてしまったので、ちょっくら長くなりますが、ぼくが学問という言葉を定義するとこうなりました。


【定義】

 学問とは、知り、考え、判断するなどの行為によって、危険を顧みず自身が興奮するものごとに全力でぶつかることをいう。




 さ、これで、ようやく学問の話ができるぜ。

 ……って「学問って危険なのか?」という話題がありましたね。


 まあ、現代人は、少しくらい危険と隣り合わせじゃないと、生きた心地がしませんでしょ?

 生きるか死ぬかの瀬戸際のところでスリリングな体感をするから、学問ってのは興奮するんですよ。


 あ、いやはや。

 半分は冗談ですが、半分は本気です。


 人間は自然界のなかでもっとも脆弱な生物、いわく「人間は考える葦である」という言葉がありますが、爪も牙も翼もなければ、毛皮すらほとんどなくなった、弱っちい動物が人間でありまして、生きるか死ぬかの瀬戸際にあった人間の祖先が「思考する」とか「学ぶ」とかいうことをしなかったら、危険すぎて生きていけなかったんだと思うんです。これが学問のはじまりといえばはじまりでしょうね。


 まあ、現代日本で危険と隣りあわせで学問するなんて、ほとんどありませんが、……薬品を使う学問は危険かもしれませんし、アンダー・グラウンドに調査に行かねばならない学問も危険かもしれませんけれど、それほど命を脅かされるということもありますまい。


 ただ、新しい発見をしたり、特殊な発想をしたりしたときに、学問は危険なものとなりうることは知っておいたほうがよいかもしれませんね。


 数学で、とある法則をもった数列を発見したとしましょう。数学的に、学問的に、面白いものだとしましょう。でも、それが戦争の片棒をかつぐ暗号を作るために応用されたとしたら、どう感じますか?

 この話をすると、ぼくはヒンズー教の「私は死となった。世界の破壊者である」という言葉を思い出します。シヴァ神という破壊と創造の神を語る言葉ですが、同時に、これを引用して自分の行為に悩んだとてつもない科学者がいます。核爆弾をつくりあげたオッペンハイマー博士のことであります。



 学問は、何のためにするのか。

 ぼくは「それ自体が楽しいからだ」と思うのです。

 新しい仮説を思いついたときのハラハラする感覚、ドキドキする鼓動、そして何よりもワクワクする感動が、学問にはあるんです。


「こんなこと思いついちまった!」

 それはひょっとしたら世界の価値観をひっくり返したり、戦争の引き金になりかねないものごとだったりするかもしれません。


 あるいは、もっと現実的な危険としては

「おまえって、変わってるよな」

「おまえ、馬鹿だろ」

 と、言われて傷つくことだったりします。


 まあ、ぼくの場合、そういう繊細な神経をしていないので、

「対象を馬鹿扱いする者が対象よりも馬鹿であることの可能性について」

 とか、論文の形にしてお見舞いしてやることでしょうが。



「こうなんじゃないかな?」

「これって不思議だ、なんでこうなるんだ?」

「こういう発想をすればこの課題はクリアになるんじゃあるまいか?」

 という、思いつき、もしくは、思い込みが、自分自身の力で「実証」できること。


 これが学問をする人間が一番楽しむところであります。


 ノーベル賞をとられた日本の先生が「センス・オブ・ワンダー」という概念で説明されていましたが、日本語に訳すと「好奇心」とでもなるのでしょうか。

 何かしらの現象に興味をもち「こういうことなのかもしれない」と仮説をたてる。

 このあと、実験とか研究とか調査とか観察とかを経て「やっぱりそうだった」「おや、ちょっと違うぞ」みたいな答えあわせを自分でやっていくことが面白い。


 とにかく、学問というのは冒険なんです。

 ひょっとしたら、まだ誰もその研究をしていないかもしれない、もしかしたら、誰もその発想をしていないかもしれない。

 もしそうじゃなくても、みなさまが経験している過去は、ひとりひとり別物で、同じ仮説をたててもアプローチのしかたが全然違うかもしれない。

 自分自身の目の前で、自分自身のやることがカタチになっていく。


 これは、実は作家業をやるのにも似た部分はありますね。



 ところで、ノーベル賞の話がでましたが、こういうのって学問を本気でやるひとにとっては「ついで」とか「おまけ」のようなものではないかと思いますよ。

 大体、学問なんて、世の中のために役立たなくったっていいんです。

 ただ自己満足、自己形成、自己充足。

 興味のおもむくままに、知りたい、調べたいことを情熱的に追いかけまくって、最後にドヤ顔できればそれで学問。


 日本は、一時期(ひょっとすると今もかもしれませんが)、経済資本と科学がくっつきすぎていました。

 まあ、これは後々、この連載のなかで解き明かしていきますが、これって宗教学的に考えると、科学というものを唯一絶対神にした霊感商法と同定できたりします……。

 いや、科学が悪いとか、経済が悪いとかではなく、癒着すると資本主義って怖ぇ、という話ですけどね。

 科学なんて本来、商売とは全く関係ないものであります。

 とある現象が目の前に起こって、なぜだろう、と「考えるのが面白いから」発展するのが科学。

 金儲けできるから科学があるんではないんです。



「学問に王道なし」という言葉がございますでしょ。

 あ、これは誤解がありそうだから注記しますが ※勉強には王道がありますよ!!!


 学問には、道がたくさんあります。

 たぶん学問するぞ、という気になっている人間の数だけ道がひらけるのではないかと思います。


 んで、ちょっぴりこれも重要。

 学問には王道がありませんから、王様もいません。


 いや「ノーベル賞をとった先生はどうなのよ」という話になりますけど。

 学問をする上では、地位の上下はあんまりありません。


 ぼくの場合はまた、ちょっと特殊で、高校のときからいくつかの学会に入っていましたのであれですが、意見を交換しようというとき「互いに相手の思考を尊重しあう」だけで、学問の場はなりたちます。

 だから、大学一年でも教授の論理に(相手を尊重した上で)ケチをつけることだってできますし、逆にどれほど自分が偉くなろうとも、何かを述べようとすればどっかから飛んでくるツッコミを覚悟しなくちゃなりません。


 学問をする人間は、地位的な上下は関係ないんです。

 ただ、いくつかの道を知っているとか、その道に精通しているとか、その道の案内人であるとか、そういう感じで指導者とか教授とかいう身分になっている人はいますけれど、あくまでも平等に意見を交換してはじめて学問になります。


「こんなんどうよ? こないだ思いついたんだけど」

「データとってみたら? ありうるかもしれないし、ありえないかもしれない」

「あ、それに関しては昔イギリスの論文で……」

「いや、その論文は最近否定されて」

 と、まあ、これほどざっくばらんにはいきませんが、こうやって「あーでもない、こーでもない」というのも、きちんと耳をすましていると学問に繋がることがたくさん落ちています。



 まあ、あんまりケチばかりつけていると単位をくれない教授がいたりして危険ととなりあわせではありますが、平等の気風のもとに自由闊達に議論してこそ学問というのはさらにワクワクできるものなのだと思いますですよ。





 大学生になろうとするみなさまへ。

 自分が本当にワクワクできる課題をいち早くみつけてください。

 そして、その課題を解決するために、どういう理論が必要で、どういう授業を受けたらいいか?

 考えてください。

 全くの白紙の地図で冒険するのは恐ろしすぎます、はやいこと羅針盤と航路図をくみたててください。


 そして、できることなら。

 相手を尊重し、自分を尊重してくれる、近接する学問をしている仲間をみつけてください。



 わくわく、しませんか?


 四年間、大学という環境で、熱中して学問することは、ひょっとしたら人生で一番の思い出になるかもしれませんね。





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