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01,プロローグ〜子どもの寝物語

 あのね、人は死ぬと、魂は閻魔庁というあの世の裁判所に連れて行かれて、その人が天国に行くか、地獄に行くか、閻魔大王様の裁判を受けて決められるの。

 閻魔庁にはじょうはりの鏡という大きな鏡があって、そこにその人が生きている間にしたことすべてが映し出されるの。だからどんなに上手に嘘をついてごまかしても駄目なのよ?

 生きている間に悪いことをした人はみーんな閻魔様に地獄に落とされるの。

 地獄というのはそれはそれは恐ろしい所でね、至る所で灼熱の炎が上がって、岩が焼けただれて、地獄に落とされた者たちは身を焼かれ、真っ赤にただれて皮が剥げたり、骨まで真っ黒に焼けこげたりするのよ。

 地獄には恐ろしく残忍な鬼がいてね、地獄に落とされた人間を捕まえて、焼けただれた岩を背負わせて針の山を歩かせたり、大きな杭に串刺しにしたり、煮えたぎった釜の中に突き落として死ぬほどの大やけどをさせたり、大きなまな板の上にくくりつけて全身の皮を剥ぎ取ったり、腹を裂いてはらわたを抜き取ったり、大きな包丁で体をばらばらに切り離したり、大きなすり鉢に入れてごとごとすり潰して犬に食べさせたりするのよ。そんなことされたら簡単に死んじゃうわね? でも地獄では罪人は死ぬことを許されないのよ。殺されても、身をばらばらに切り刻まれても、焼けこげた炭になっても、何度も何度も生き返らされて、何度も何度も殺されて、何度も何度も死ぬ痛みと苦しみを味わって、それが延々と、何百年、何千年、何万年と絶え間なく続いて、ようやく地獄の罪を許されるの。そうしたらまたその人も人間の世に生まれ変わってくることができるのよ。それだけ恐ろしい目にあって痛い思いをして苦しい思いをしてきたのだから、もう二度と悪いことなんてしなければいいのにね?



 でも、生きている人は閻魔大王の裁判を受けないで、悪いことをしても罰を受けないで、平気で楽しく生きている人もいるでしょう?



 そうね。でもそういう人もいつかは死んで、必ず地獄に落とされて苦しむことになるわ。



 でも生きている間はなんの罰も受けないんでしょう? 悪いことをして、苦しめられて、殺されちゃった人もいるのに、ひどいよ。



 そうね。人間には閻魔様のじょうはりの鏡みたいな正しい目はないからね、仕方ないわ。でも、悪いことをしたってはっきり分かっている人は、必ず罰を受けるわ。



 どうなるの?



 悪いことをして受けた呪いで、ひどい殺され方をするのよ。だから、

 あなたはもう安全よ。

 もうなんにも心配しなくていいから、ぐっすりお休みなさい?

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