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プロローグ

僕はなんの為に生きてるんだろう、って思うときがある。

生きている理由が欲しい。生きる為の糧が欲しい。

僕がただ、『死ぬのが怖い』だけで生きているのだとしたら、それこそ怖い。

もしそうで、そんな浅い理由で生を選んでいるなら、死に直面したときに生き残れない気がして。

生きる意味が死ぬのを恐れるだけなら、未練も執着も愛情も、何もないでしょ?

死にたくない僕は、だから、探す。欲する。

生きている意味を。


―――エリク トラックの荷台――― 

「――リク? エリクー!」

「おわっ! はい! えっな、なに!?」

寝ていた僕は、耳の傍から聞こえた大音響に身体が跳ね、飛び起きた。遅いと分かっていながらも、キンキンする耳を押さえる。寝起きから災難…。

「もー、やっと起きたー。遅い!」

右から文句を言っているのはシャルロット。小学校に入学する頃くらいの歳で、腰まである金髪を二つ結びにしている。シャルロットの遠慮と理由のカケラもない行為は歳相応だからと笑って許せるのであって、他の人にされたら殺意しかわかない気がする。

辺りを見渡すと、僕以外は全員起きていた。自分だけ寝ていたのかと恥ずかしくなったので話をそらすことにする。

「ごめんごめん。で、今どこ?」

ここは走行中のトラックの中。道がデコボコなのかトラックがボロボロなのかはさておき、時々振動で身体が浮く。

よくこんなところで熟睡できたなと自分を褒めたい所存であります。立ちながら寝れるんじゃないかと思うであります。

座ったまま、身体を安定させるために斜め後ろの床に手をつくと、ひんやりして気持ちよかった。

「自分で見ればわかるだろ」

淡々と喋るのは、僕の一個下、14歳思春期真っ只中まっただなかのカイ。無愛想の代名詞になれそうな彼はいつも仏頂面。なにが気に食わないんだかー。

「あ、そだねー」顔に笑顔を貼り付けて、金髪無愛想君の言うとおり自分で確かめる事にした。

なんとなくでシャルロットの頭を撫でた後、立ち上がって窓へ向かう。

このトラックには手作りの窓がついている。夜真っ暗になるのをシャルロットが怖がるから、みんなでつけた。壁に穴をあけて、安全のため、ゴミの中から拾った棒を鉄格子がわりにつけただけの、お粗末なものだけど。シャルロットは、星が見えるだけでずいぶんと怖がらなくなった。

前、その理由をどうしてと聞いた僕に、この子は「お星さまのどれかにはおとうさんとおかあさんがいるんだよー。だから安心なのー」と無垢な笑顔で答えてくれた。運命って残酷だなと、少し心が痛んだのを覚えてる。

そんなことを思った窓から、顔を乗り出す。

見えたのは、木、木、木…森以外のなにものでもない景色。地面は薄茶色の、こけたら痛そうなデコボコ一本道。進む先には国境がわりの塀が、無駄に高くだだっ広く建っていた。距離からするに、後10分くらいでつく。

この塀を探していた。というか、どこでもいいから国を探していた。

僕たちは孤児6人のサーカス団。運転手含め、7人。自分たちの旅の生活費と、孤児院に寄付するためのお金を稼ぐために、サーカスでお金を稼いでいる。

風の所為せいで顔が寒くなってきたので、引っ込めた。逆を向いて背中を壁に突け、ズルズルと座って欠伸を一つ。こんなに眠いのは僕だけかとみんなの顔を見渡すと、カイに欠伸がうつっていた。

ちなみにあの塀を見つけたのはディラン。彼は運転手で17歳。記憶の中、覚えてる範囲で一番最初の友達で、一番の理解者だ。

トラックにはシャルロットとカイ、ディランや僕以外に、シャルロットの双子の兄シャルムと、僕と同年の女の子エリィがいる。さっきも言ったがみんな親を亡くしている。

性格も心も、今のところ健全な僕たち。でも、過去を乗り越えたわけじゃないと思う。じゃあなんだろう? 正しい表記の仕方が思いつかない。重い過去は、大人になるまで背負わない、ということかな。

だから、『まだ』僕たちは過去を直視せず、不明瞭な記憶と一緒に生きている。

「おい! エリク!」

外からディランの声。

「あ、はーい?」

もう一度、立ち上がってから窓から顔を出す。

運転席の窓から、ディランがこっちを見ていた。運転しながらなのにすごいな…。

「もう少しで着くから準備しとけ」

「はいはーい」

伝言を承った僕はすぐ顔を引っ込めて「みんな準備してー」もうすぐ降りる事を知らせた。

準備といっても、そんなにすることはないのではと思う。いや、そんなにといっても心の準備以外することはないのでは…。

「うーむ…」

眉間に皺を寄せて唸ってみたら、みんなに怪訝な顔をされた。唸った理由はみんなに話す必要もなく、ただ『準備』のことを考えてただけ。笑ってごまかしたら、結果、もっと怪訝な顔をされた。

お労しや、自分…。

超初心者が書いている小説です。楽しんでもらえたなら光栄です! …楽しんで読む内容なのかは、さておき…。

読みにくいところも多々あると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします!


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