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女王の婚活~紹介された男子は極上騎士でした~  作者: 茉莉花


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39/39

39.【後日譚】女王の結婚~エピローグ~

「おかあしゃま、今日は私がお相手しますわ」


「そうなのですね。では、マリアンこちらに」


アリシアは駆け寄った女の子を優しく抱き締めた。


「おとうしゃまは私です」


「そうか。今日はミカエラの番かい?」


足元で両手を上げて待っている女の子をスヴェンは抱き上げた。




王家の元にやってきたのは、双子の天使たちだった。生まれてきたのは女子であったことに、アリシアもスヴェンも想像は出来ていたもののその結果に安堵した。


その二年後、ベロニウス侯爵家にも新しい命が誕生した。リースベットが産んだのは、こちらも女子であった。この世界というのは数奇なもので、ラウラの存在理由を肯定するような結果となっている。


アリシアの産前産後に臨時決裁権が行使されることはなかった。重要な案件は取り扱わなくて済むよう配慮し、緊急の事案もなかったからだ。


今、アリシアは第三子の出産を控えている。


「先日の議論が落ち着いて良かったですわね」


「はい。ルーカスが先導してくれましたから、やはり統計的な数値を出してもらえると重鎮らを説得しやすいものですね」


政に王配はあまり関与しないが、アリシアの出産を控えていることもあり、最近はスヴェンも議会に帯同していた。


ルーカスは審査により宰相に再度任命された。現在はルーカス・ベロニウスとして宰相の任務に就いている。


「隣国の動きが慌ただしいようですが、こちらへの影響はないのですか?」


「オークランスから偵察部隊を定期的に派遣するようにしています。カールグレーンの事件以降、現在の政権に不満を抱えているものが増えたようで、政権交代の動きがあるとか。こちらに飛び火がないよう、第二騎士団の強化に努めてます。ヴァランデルの学生も有事は頭に入れておくよう指導しておりますし、皆の意識も高まっております」


王配が再びヴァランデル地方を管轄するようになると、ヴァランデルやオークランスの現状把握が容易になるとともに、隣国への対策もとれるようになった。スヴェンへの信頼も厚いヴァランデル地方の人々は国への忠誠も強くなった。




「おかあしゃま、このおはなし読んでくださいませ」


東屋に来ると、マリアンが絵本を差し出した。


「わかりました。では読みましょう」


アリシアの大きなお腹に気を配りながらマリアンはアリシアに身を寄せた。


「『森のお姫様』。むかしむかし、あるところに、一人の女の子がいました。この森に住んでいるのはこの女の子だけで、木の実や果物、魚などを食べて暮らしていました。女の子は、いつもいつもこの恵みに感謝していました。『いつもありがとうございます』『ご馳走さまでした』『今日も美味しい食事をいただきます』その様子を見ていた神様は、この女の子のためならと森中のたくさんの恵みが尽きることのないようにと力を貸してくれたのです。そのおかげで女の子は美しい女性へと成長し、この森のお姫様として森を守っていくことを決めました。森とお姫様は二つで一つ。どちらが欠けてもいけません。自然を守り、お姫様を守る。共に生きていくことでこの地には平穏が続いていくのでした」



裏表紙まで見終えたところで、マリアンは拍手をした。


「マリアンはこのお話が好きなのね」


「はい。このお姫様の絵は、おかあしゃまに似てるから好きです」


「まあ。私に似てるからですか?」


「もちろんお話も好きです。きっと神様は見てるので、わたしもめぐみにありがとうをしたいと思います」


「そうですね。今度自然保護区に行ってみましょうか?とっても美しく自然が残っていますよ」


アリシアは絵本に史実を託すことにした。ラウラが娘たちの幸せを願ったように、アリシアも未来の娘たちに想いを受け継いでもらえるようにと絵本という形に残した。わかるものがわかれば、伝えたいものに伝えれば良いだろう。




第三王女が生まれると、アリシアはラウラの元に娘たちを連れていった。


「ラウラ様、これからも見守りください」


すると、ブワッと暖かい風が吹きアリシアたちを包み込んだ。風に舞う花弁に王女たちははしゃいだ。その様子を女王アリシアと王配スヴェンは温かい眼差しで見つめるのだった。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


このお話をもって、完結となります。


いかがでしたでしょうか?

女王が結婚相手を決めるところまでで終わる予定だったのですが、お話を追加する形で完結しました。


作者のモチベーションに繋がりますので、よろしかったら、評価していただけると嬉しく思います。



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