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23.花の行方

いよいよ剣術大会が始まった。アリシアは特別観覧席に腰掛けると近い席にエメリを確認した。そしてそれとは対する席にリースベットも確認できた。出場者の家族や婚約者で埋め尽くされる中、アーロン・カールグレーン侯爵を確認することも出来た。


(彼も家族枠での観覧ね。この場に居合わせるためには、ルーカスの出場が不可欠だったわけだわ)


アーロンは周りにいる高位貴族らと歓談している。


(随分と余裕ね。でもこちらは油断しないわ。ここにいるようにとリースベットは言っていたし、ここからなら見渡せる。あちらに警戒されないように、警戒していることを悟られないようにしなくては)


そして試合は始まった。第二騎士団の小隊長と第一騎士団の団長アロルドの試合は、オープニングに相応しく見応えのあるものであった。一進一退の攻防で、接近戦に強い第二騎士と相手の力を利用し往なし躱すアロルドの試合は長丁場となった。


結果、辛うじてアロルドが勝利を納め、勝者が受け取った花は夫人へと贈られた。


第二試合はルーカスが登場した。相手は第三騎士団の志願者だった。ルーカスが闘技場に現れると黄色い声援が飛んだ。ルーカスは笑顔を浮かべ片手を挙げて応対している。リースベットはというと、黄色い声援に向けて睨みを効かせていた。


(婚約者がモテるというのも大変なことね)


試合はあっさりとルーカスが勝利し、受け取った花はリースベットへと贈られた。声援を送っていた令嬢らもこれについては仕方ないという表情を浮かべていた。


第三試合はスヴェンが登場した。相手は第一騎士団の志願者だった。スヴェンが現れると場内は一瞬静まり返った。スヴェンの騎士姿は輝きを放つように美しく、皆その姿に引き込まれてしまったのだ。次第にザワザワと歓声へと変わり、盛り上がったところで試合は始まった。この試合もあっさりとスヴェンが勝利した。


そして注目はこの青年が誰に花を渡すのかということであった。王都で素性が知られていない彼は既婚なのか未婚なのか、はたまた婚約者がいるのかさえわからない。スヴェンは一歩また一歩とアリシアのいる特別観覧席の方に近づいてくる。一瞬アリシアと目があったかと思ったが、花が差し出されたのはエメリであった。


「スヴェン!?ここは私ではないのでは?」


エメリは慌てた。しかしスヴェンは冷静だった。


「初めの勝利はまず母上に。最後まで勝つつもりでおりますから、花をいただくのはこれだけで終わるつもりはありません」


エメリは唖然としていた。


「…も、もう。2本目以降はどうするつもりなのよ」


ボソッと訴えた文句は伝わったのかわからないが、花を受け取ったのが母親だとわかり場内はさらに色めき立つのであった。



ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


作者のモチベーションに繋がりますので、よろしかったら、評価していただけると嬉しく思います。



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