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第五話 二人が出会った日
俺たちが、初めて出会ったのは冬だった。
この最終駅の近くにある、自殺の名所。
そこに、誠がいた。
「お前も死にに来たのか?」
目の色はどこまでも暗く、光が消え去っていた。
「やっぱ、俺はやめとく」
「お前の死体見るのも、見られるのも、嫌だからな」
彼はすこし戸惑った様子を見せたあと、
「じゃあ、僕もやめる」
と言った。
そのあと、お互いに自己紹介をして、帰り道にあのカフェを見つけた。
そして、今日のように一番奥の窓側の席に座って、色々な話をした。
学校のこと、好きな物について、家のことについては、彼はあまり話していなかった。
でも、あの時飲んだのは、カフェオレとコーンスープだったけど。
そして、高校になって親が離婚したらしく、
俺の家の近くに引っ越してきた。
高校は一緒に通って、毎日沢山のことを話した。
誠と話している時だけは、素直になれた気がしたんだ。
でも、誠はずっと、何かを必死に隠しているようで......
俺は彼に何も言わなかった。
いや、言えなかったんだ。
本当はその秘密が何なのかを、俺は、知っていたのかもしれない。
でも、それを言ってしまえば、彼は、
彼は......
もう、俺のそばを、離れてしまうから......!
これは、ずっと見て見ぬフリをしてきた、俺への罰なのだろう。
でも、これだって俺なりの愛だったのに。




