第四話 手を握り、誓わせて
⚠注意⚠
キスシーンがあります!
行きたい場所と言って着いたのは、小さな民宿だった。
だが、
「いや〜これは完全に閉館してるなー」
そこは既に廃墟だった。
草が生え、植物の蔦がコンクリートに巻きついている。
しかし辺りは暗くなり、泊まる場所などどこにもない。
「うーん。野宿は嫌だから、ちょっと借りるか!」
どうやらここで一晩を過ごすらしい。
犯罪ではないかと思ったが、俺が一番言えないから黙ることにした。
茂みの中へと足を踏み入れ、室内へ侵入した。
「うわっ、虫ー!」
誠が叫んだかと思うと、急に抱きついて来た。
「危ないって、誠......!」
虫嫌いは未だ治っていないらしく、いつものように抱っこしてやった。
しばらく歩いていると、寝るのに丁度いいスペースを見つけた。
誠を抱っこしたまま床に座ると、誠は顔を上げた。
すると、誠の顔が自分の顔と触れ合いそうな距離にあった。
どきりとして、思わず顔を背ける。
「なんでそっぽ向くんだよ」
「だって、キスしそうだったから......」
グイッと顔が引き寄せられ、また正面を向かされた。
「......いいじゃん、しようよ」
誠は顔を傾け、目を開けながら俺と唇を重ねた。
そっと、触れるようなキス。
俺がそれに応えると、誠はうっとりと目を閉じた。
唇に舌を差し入れ、上顎をそっと撫でる。
誠は一瞬驚いたように体を震わせたが、すぐに舌を絡めてきた。
お互いの存在を確かめ合うように、深くキスをする。
俺は誠の体を押し倒した。
俺の肩に腕を回して、抱き寄せてくる。
二人の吐息だけが、静かな夜の中に響く。
苦しくなった所でようやく唇を離すと、とろんとした目で俺のことを見つめた。
そして優しく微笑んだ。
「フフ、もっとする?」
そして俺たちはまた、唇を重ねた。
すると突然、頬に誠の手が触れた。
彼の顔を見た瞬間、はっとした。
「......こんな時間がずっと続いたら、よかったのにね」
誠は微笑みながらも、涙流していたのだ。
その姿に、胸が締め付けられた。
頬に添えられた手を握り、頬ずりをする。
「大丈夫。もう二度と、離さないから......」
そう言って誠の体を抱きしめた。
夜空には星がキラキラと光っていた。
まるで、暗い過去を明るく照らすかのように。




