no more hawawa
そんな1日の間、ずっと考えていた。
「僕は何故元妻に同じ様に出来なかったんだろう」
離婚前から、なるべく彼女のすべてを受け入れようと努力したつもりでも、なんかの拍子にぜんぶ台無しにして、それ以上に元妻を責めた。
彼女の為に離れたかった?
甘えてたんだ。僕は辛いから、きみより辛いから、どんな僕でも受け入れて欲しい。
逆だった。カワウソちゃんは僕の暮らしぶりや働き方も聞いて来た。常識的な尺度で僕はかなり大変ではあろう。けれどその場では僕は気楽なハケンさんで、彼女は責任者。毎日12時間くらいの拘束だけでも大変なうえ今の状況。それを見たうえで3児の母、また妻としての事を想像したら、僕の大変さなんて屁でもない。僕がカワウソちゃんに甘える理由などそもそもないけどそんな相手に少しでも「僕の方が大変だ」なんて思えない。そんな彼女に僕は普通のハケンさんの倍働いて役立ちたいと思う。仕事中隣に並んで雑談からまたつい愚痴が口をついた時ふと見た彼女はいつもあんなに大きく見えるのに小さかった。物理的に。薄暗かったせいか、少女みたいな表情をしていた。
ぜんぶ、きみとの事だった。知れば知る程。ただ、カワウソちゃんの大変さは僕のせいではなくて、僕は少しでも力になれる。きみの大変さは僕のせいで、僕は力になれない。そんな気持ちから、逃げ出したかった。それできみを撥ねつけて、気楽にはわわしていたかった。そうじゃないかもしれないと思いたかったけど、やっぱりきみしか居なかった。結局いつも笑顔のカワウソの顔が歪むのを見たくなって、いつも不機嫌そうなメジカちゃんが笑うのを見たくなって、それはずっときみだけで出来る事だった。
これから先きみとどうなるかわからない。きみが男性のSNSにコメントしたはあとマークにさえヤキモチ妬いちゃう。僕はマスクするんだ。それでどうなったって構わない。
はわわは恋。
恋は一方通行の押し売りなんだ。
だけど、少しだけ愛が見えたかもしんない。見返りなんて要らない。きみが会いたくないなら会わなくたって良い。やあやあ言わない。きみが言って欲しくなるまで。ひとりで焦って、きみには強がるんだ。
そしてもう2度と、誰かにはわついたりしない。
好きだよ、きみを。




