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推し

 僕が静かに無限はわわしているとメジカちゃんは「失礼しました、失礼しました」と言った。その後も何度か言ったのだけど、何故か必ず2回繰り返す。


 はわあ


 一般的にはカワウソちゃんの方が可愛いだろう。しかもあの天然の媚態。けれど、比べたらかなり地味で、媚態どころかほとんど無表情なメジカちゃんのへちゃっと崩れたその時の、あの恥ずかしいそうで見てるこっちまでなんだか恥ずかしくなる感じに僕のハートはすっかり射抜かれていた。時々僕が並べた製品が溜まると「むらいますね(もらいますね」と言って持って行く。 


「むらいますね(もらいますね)」「はわわ(はい)」

「むらいますね(もらいますね)」「はわわ(はい)」

「むらいますね」

「むらいますね」

(うん、ムラムラしちゃっていーよ!)


 僕は黙々とふたり並んで作業する時間が永遠に続いて欲しい気持ちだった。そんな気持ちでちらと時計を見る。ああもうあと1時間。珍しく彼女から


「嫌になっちゃいますね」


「いやいやもっとヤりたいくらいですよ!」


 はっ、マズい。


「やっぱりお金ですよ」誤魔化した。そんな少ないやり取りの穏やかな彼女の微笑は、僕を癒した。こんなひととずっと居られたらなあ。


 背後に殺気にも似た気配。カワウソちゃんが厳しい顔する持ち場が僕の真後ろに位置している。やっぱり厳しい顔した大柄な彼女の気配は男みたいだと思った。そして何故だかいつもより激オコな顔してる様に見えた。まるで僕のはわ気に怒ってるみたいに、僕には見えた。


 それから少しして、メジカ祭りはあえなく終わってしまった。


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