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愛してるって
それだけ
ただ、それだけがほしかった。
「凪〜今日予定ある?」
「…なんで?」
「え?いや、暇かなって思ってさ?」
「………」
「…ノミカイアリマス。アナタヲヨベト…」
「頭痛い…」
「そこをなんとか!!!だって、凪!あんた大学生活2年目を迎えた今、学校の王子、貴公子、芸能人となんかもうビッグネームが次々あんたと話したい、仲良くしたい!と思って勇気を持って誘ってるのに…全部断って…お陰でいい男とよろしくしたい私にまで、呼んでほしいって!あんた来たら紹介してくれるって言われてるの!」
「…3年の藤さん?」
「うん。ダメ?」
私の目の前で手を合わせ、可愛い顔でおねだりするのは、この大学で出会った友人の舞。
小柄で色白、ミディアムヘアを明るく染めた髪を毎日綺麗に巻いていて、まるで雑誌に載ってるお手本のような格好をした可愛い子。
正直、飲みの席なんて,絶対行きたくない。
しかし、無愛想満点能面無感情な私を浮かない程度にフォローして大学生活を支えてもらっているのを考えると、一回くらい行くべきか?と考えも出てくる。
「…わかった。一回だけね。後は絶対ないから。」
「凪!ありがとう!」
「あとは頑張れ。舞は可愛いだけの女じゃない。いい女なんだから。」
「凪!!!」
ひしっと私に抱きついた舞はありがとうありがとうと喜んでいる。
是非とも舞の思い人、藤さんと上手くいってもらいたい。そう願わずにいられなかった。