92/99
かげぼうし
あたらしいせかい
それをみつけたんだ
きっとどこにもない
まだ誰もしらないんだ
そこにみえる
たしかに映る
そのけしき その感動
ゆっくりおちついて
あみものを編むように
こまかい部分を見逃さないよう
慎重に ていねいに
つぶさに書き出していく
あるだろうか
そんなこと
ほんとにあるだろうか
そんなもの
だれも目にしていない
だれの想像もこえてゆく
そんなせかいを
一個の人間だけが
垣間みたなんて
夢の中の景色なのか
それだとしても
人間がみれるもの
人間いがい
登場しないとかか
それ だれかの
いつかだれかが
書きのこした空想のさんぶつ
きみがみたもの
ぼくが読んだもの
きっとその残像なんだ
あとから生まれたなら
どこかの部分的なもの
なにかしらは
模倣でしかないんだ
みんな かげぼうし
だれかにみせたいものは
だれかがすでに
だれかにみせてきた
そんなものなのです




