1話 可決
この回はコメディー要素なし次回から入れてくつもりです。
令和25年
世界で[特殊個性 通称:特個 ]と呼ばれる物が発見された。
それは遺伝子に組み込まれているもので現代科学では証明の
出来ない現象だった。
初めに発見された特個は[努力症]と呼ばれ他の人にその人が出した課題をさせると課題を受けた人がその努力に見合わぬ程の成長を受けるといったものだった。
そして、後に分かった事だが才能と呼ばれていたものも特個であった。初めは気味の悪い奴だと激しい差別を受けていた特個を持った人々だったが時代の流れと共に特個を持った人は増え今では、全人口が大小はあるが特個を持っていた…。
令和26年
「それが国民の為と思っているのか!?」
「努力症があるならば国家の成長に十分貢献するだろう。」
「強制だと!?歴史から何を学んだんだ!」
「うるさい。本日をもって宿題国民成長法を可決する」
テレビで父が争っている映像が流れる。これは1週間前の映像だ。父の特個は[自由人]と呼ばれる物で互いの個性を伸ばす力があった。そのためか国が国民に宿題を出す強制的なやり方には反対だったのだろう。たかが宿題だ。なんだっていうんだ。
「人は個性を認め合う物だ。苦手や得意など関係ない。」
これが父の口癖だった。テレビを見ていると
「優太ー時間すぎてるわよー」
母の声が響く。時計には7:30と絶望的な時間が見える。
「うお!?やば!行ってきます!」
俺は扉を開け放ち学校へ向かった。
学校が終わった。部活も終わり、よぼよぼと家のドアを開ける。
その瞬間鳥肌がたった。目の前は真っ赤に濡れた父と母の姿。慌てて駆け寄るが、息はない。涙を堪えながら立ち上がる。近くにあった白いものが目に入る。よく見たら紙切れだそこにはこう書かれていた。
『宿題国民成長法 可決にての不正書類』
しかしそんなことどうでもいい。
俺は絶望した。そしてそれと同時に怒りが沸いた。父を殺した法律に。それを通した政府に。その後父方の親戚に、引き取られ僕は過ごした。
勉制 元年
俺は父の遺産を使い1つの団体を建てた。
その名も『自由隊』
ここから俺らの宿題を無くす壮絶な戦いが幕を開ける。