表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/32

8 サリア

神智贈は全部?になってるし本当に失敗だったみたい。


もしかしたら、喋れるようになると思ったのだが、ちょっと残念。


無茶したのがバレると、怒られそうなんで失敗なら黙っておこう。


まあ本人は、そんな事までどうでも良いとばかりにキャッキャと無邪気に手を叩いたりしている。


しかし…


何か…ドラゴン娘ちゃんのステータスMPと魔力が大変な事になってのぅ


もしかして…あれか!?火属性付与掛け続けたせいか!?


火属性だけ吸収になってるのもそのせいか!?


あ、睡眠耐性だけ中になってる。


これもあれだろう、卵背負ったまま勇者達の抗い修行で、操心魔法使ってたからだろうな。


すっごい影響受けてるのぅ


「お待たせー」


うおぅ!


慌てて神眼鑑定を消す。


後でよく考えたら、儂の神眼に見えてるだけなんで、慌てて消す必要なかった。


「何してたの?」


『あいや、言葉が喋れないかと思っての』


「まだ無理ですって、ついさっき生まれたばかりですよ」


そこで、ドラゴン娘ちゃんのお腹が鳴る


「ほら、二人ともちゃちゃと着替えてください、娘ちゃんお腹が減ってて可哀想ですから」


下着まで買ってきてくれたので、とりあえず着せてた儂の服を脱がし、娘に下着を履かせる


『おい、これはまだ要らないんじゃないか?』


包みの中のブラジャーを出して言う。


あ!とブラをひったくると


「これはアタシのです。一緒に袋に突っ込んで来たんで…」


顔赤くして恥ずかしがらんでも女しかおらんし


しかし、妙な所で現代っぽいものも売られておるのじゃな。


転生者や召喚者が、知識を持ち込んで、商品にしてたりするのかの。


娘に白いワンピースを着せてっと


よし!


『これでやっと町に入れるな、あこれ済まんかったの』


借りてたマントを返す


「あれ!?メディア様髪が伸びてる!」


『ああ、これか?これは伸びたんじゃなく戻ったんじゃ、神再生があるのでの縦に真っ二つ割られても戻るぞ』


「本当に規格外ですね」


『神族の規格では普通だぞ、人間の規格に当て嵌めるから規格外になるのじゃ』


キャッキャと騒ぐ娘を真ん中に、手を繋ぎながら町へ入っていく。


親子には見えんじゃろうのう…


宿屋の1階が飯酒場になってる店に入る。


午前中なので、まだほとんどが飯客だ。


夕方越えれば、飲み客と逆転だろうがな。


「こっちだよ~」

相変わらずの間延び声で手を降る


『手間を掛けて済まんの』


「服買ってきてあげたアタシに一番感謝してほしいな」


覗き込みながら言ってくる


『ああ、感謝しておる、ありがとう』


「わわわわかれば良いのよ、そそうね、うーんと感謝なさい」


顔真赤で慌てまくるクミ。


本当面白い奴じゃ。


「さて、早く頼みましょう混雑してきそうですし」


『儂は別に食べんでも良いのだが、何も頼まずに席占領してても悪いんで葡萄酒を』


「おやおや昼間からお酒ですか?」


ニシシシと茶化すように言ってくるクミ。


『いや、お茶も何も置いていないのでな、水か麦酒か葡萄酒しかなくての』


『まあ酔うことも無いから大丈夫じゃ』


ミンシアがやさしく娘ちゃんに


「なに食べる~?ってメニュー見せながら聞いてる」


「いや、読めないし、まだ喋れないでしょ」


クミがツッコミを入れている。


日本のファミレスみたいに、メニューに写真載ってれば指差してコレってできるが、文字だけではのう。


「おか……さ……な…じ…」


え?


『今、喋った!?』


「喋ったよね!」


皆でもう一回言うのを待つ


「おかぁ…さ…おな…」


「おかあさんと同じ!?」


ぶんぶんと縦に頷いて肯定する。


喋ったよ!喋った!とここのテーブルだけ大騒ぎ。


って待て

『お酒って0歳児に飲ませて良いのか?』


「良い分けないでしょ!」


「赤ちゃんなんだし~ミルク?」


ミンシアの言葉で皆こっち見る


『出るわけなかろう!』


『と言うかドラゴンって何食べるのじゃ?』

蘊蓄好きのクミコ先生に聞いてみる

「え?んー雑食?」

ダメだ


「もう~メディア様がちゃんとした食べ物頼まないからダメなんですよ~」


『と言われても…なに頼めば良いかの?』


どっかにドラゴン博士は居ないのか…


へい日替わりランチ6人前お待ち


おそらく用心棒も兼ねた筋肉ダルマのおっさんが料理を持ってくる


「すみません、僕が頼んでおきました。とりあえず何も頼まないと迷惑だと思ったんで…」


良くやった、でかしたわ、ミノルンやる~、ムサシ殿は同意とうなずく、パチパチと叩く娘

皆で称賛する。

「なんか、異世界に来てから1番誉められたんですが、戦闘で誉められ無いのが複雑です」


とりあえず、娘の口開けて歯を確認したらちゃんと上下とも奥まで生えてるので、固形物も問題なさそうである。


牙がある以外人間と変わらんな


いくつかこうやって食べるんだよってナイフとフォークを使って見せてやる


さすが見た目は子供でも中身はドラゴン、たちまちペロリと平らげる。


『ほら、これも食べなさい』


そう言ってお手本で一口しか手をつけてない皿と娘の空の皿を取り替えてソースだらけの口を拭ってやる


「そうやってると、お母さんですよねー」


「でも~お名前どうするんですか?何時までも娘ちゃんじゃ可哀想だよ~」


即答で

『プリン』


「前言撤回、サイテーだわ」


『ダメか…じゃあカスタード』

回りの目が冷たい

『アラm…』

「アラモードなんて言ったらグーで殴りますよ」

んー


『サリア』


「わあ~良いね」

ちゃんと、まともなのが出るじゃなですか」


「ひょっとしてサルビアからとったんですか?」


と意外な横から勇者からの言葉に驚愕する。


『うむ』


「あ、やっぱり赤い髪もサルビアの赤い花にイメージピッタリだし花言葉も《良い家族》とか《家族愛》で凄い良いじゃないですか」


『よく知っておったの』


「花言葉とか…ミノル…あんた何でそんなに詳しいのよ」


おまっ、そんなに引いたら可哀想じゃろ。


こんな時、いつもズレた事言って場を和ませるミンシアは…

「サリアちゃんか~可愛い名前でよかったね~」

って此方見て無いし。


「ちょっと詩をね…書くのにね…うぅ…」


もういいやめろ


あー後ろ向いて泣いちゃったよ。


ムサシ殿が肩を叩いてドンマイって言ってるみたいだ。


試しに娘に、サリアって呼んでみる。


二パっと屈託のない笑顔を見せたので、気に入ったみたいだ。


サリアで決定じゃな。


『さて、儂は冒険者ギルドに行ってくるぞ』


「あ、例の雇いの件ですね」


『うむ、それもあるが、これからサリアを食わせてやらねばならんので、冒険者登録をしてくる』


「あそれなら僕っらも行きます、亡命後は生きてくために冒険者やらないとなので、後学のためにも見ておきたいです」


結局全員で冒険者ギルドへ


扉を開けて中へ入ると、よく漫画やアニメで見る冒険者ギルド


じゃなかった


奥のカウンターにお婆さんが独りで座っているだけで誰も居なかった


埃の積もり方とあちこちクモの巣だらけでしばらく人の出入りは無いのはわかる


なんじゃこれ、どうなってる…


とにかく受付で聞いてみる


『すまぬ、冒険者登録がしたいのだが』


「おやおや、こんにちは今日は独りで買い物?えらいわね」


「ちょっと待ってね、飴か何かあったかしらねぇ」


裏で何か探して居る


『いや、そうでは無くての冒険者登録を…』


「このお饅頭いつのだったかしら…」

って聞いちゃいねえ


埒があかないので、裏で飴やお菓子を探すお婆さんを置いて外へ


でも、冒険者を雇い人質救出計画は根本的に破綻したぞ。


この荒れようは冒険者が来ていない証拠だ。


居ない者は雇いようがない。


『こうなったら強行するしかないのぅ』


勇者PT全員城に顔を出さず、全員で森の屋敷に向かい屋敷の前で首輪を破壊。


中へ斬り込んで人質を救出。


あとは救出した人達背負ってグランシア王国を目指す。


「行き当たりばったりじゃないですか!」


『仕方なかろう、本来なら人質を助けてる間に、御主等が国王への報告で時間稼いで貰ってる間に、できる

だけ人質を国境へって訳が』

『屋敷の前で、首輪壊した時点でアラームが逃亡知らせて、亡命がバレて国境封鎖が始まってしまうのじゃし』


『人質全員が全員自走できれば儂一人で人質逃がせるんじゃがの』


まあ良い案が出るかもなんで、今日はゆっくり休んで置こうってなった



ここ、タンザスの町は、西にある火山のおかげで温泉が湧くらしく、この宿屋も天然温泉の大浴場を売りにしていた。


『嫌じゃ』


「いくらなんでも~そろそろ入った方が良いですよ~」


「ここ、お風呂広いんですから、普段こんな広いの大神殿かお城ぐらいしか無いんですよ、我が儘言ってないで入ってください」


左右、クミとミンシアに腕を組まれて風呂に連れていかれる


サリアは無邪気にきゃきゃと騒いで嬉しそうだ


『だから、儂は代謝しないって…』


「ダメですよ~お母さんなんだから、サリアちゃんお風呂に入れてくださいね~」


それを言われると反論できん。


『ぐぬぬ、仕方ないサリアゆくぞ』


服だけ脱いで、サリアと手を繋いで入っていく。


「ちょっとまった、なんで下着も脱がないんですか」


『だってサリアを風呂に入れるだけなら構わんじゃろ』


「ダメです」


二人に全部剥ぎ取られてしまった。


仕方ない覚悟を決めよう…


「どうしてそんなに嫌いなんですか?」


『だって石鹸が目にしみるんじゃ…』


「子供かあんたは」


「大丈夫ですよ~この世界に来てから石鹸みたいな高価なの、お城ぐらいしか見たことありませんから~」


「そうね、普通の宿なら石鹸や香油なんて無いから布で擦って終わりよ」


二人にそう言われて安心して入浴した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ