チビッ子編 / 初めてのお留守番(2)7匹の子ヤギ
7匹の子ヤギという童話は有名である。7匹の子ヤギが、お母さんヤギがお出かけしている間留守番をしているのだが、あの手この手で騙そうとするオオカミに最後は騙されて食べられてしまうという、留守番のバイブルだ。
まあ、童話では帰って来たお母さんヤギに助けられ、オオカミを殺してめでたしめでたしとなるが、現実ではどうだろう。
まずオオカミは、違法な訪問販売員だったり強盗だったりするのだろうか。そして食べられるというのは、暴力を振るわれるとか、何かを盗られるという事になるのだろうか。
直と怜は改めて晴を間に挟んで『7匹の子ヤギ』を晴に読み聞かせ、言った。
「お母さんが帰って来るまで、晴はお兄ちゃんと怜の言う事を聞くんだよ。そうじゃないと、怖いオオカミが来た時に、困るからね」
「わかった」
それで晴も大人しく言う事をきいて遊び出した。
が、そんなもの、大して続きはしなかったのである。
積み木がしたいと駄々をこねるので積み木を始めると、今度はままごとじゃないと嫌だと泣き出し、ままごとセットを出して来ると、戦隊ごっこだと言って怜と直を怪獣にして思い切り蹴って来る。
「お母さん!まだ!?」
直は叫び、晴は高笑いし、怜は馬乗りになられて半泣きになっていた。
3匹の怪獣といったところである。
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