チビッ子編 サンタクロース大作戦(1)疑問
子供達は来た神様達に、クリスマスプレゼントの報告を嬉しそうにして、今はリビングでゲームをしていた。
今日はやっと新年の忙しさから解放された神様達が来て、宴会をしていたのだ。
「ほほう。クリスマスプレゼントに大喜びだったようだな。良かったじゃないか」
凜と累は補助輪付き自転車、優維ちゃんはポシェット、敬は簡単なデジカメ、康介はスパイクシューズだ。
「でも、康介は数年前からだけど、敬はとうとう、サンタクロースの秘密に気付いてしまったわね」
美里が苦笑した。
「まあ、これもなかなか苦労があるものねえ。やれやれというのか」
「隠し場所とか、どうやって枕元に置くかとか」
冴子姉と京香さんが苦笑する。
それに兄が、同意するようにしみじみと頷くのに、直が訊いた。
「あれえ?司さん、敬で?敬は素直で割と何とかし易かったんじゃ?」
「あ。怜君でしょ」
千穂さんが言い、兄が笑う。
「今となってはいい思い出だけどな」
それで僕も思い当たった。
「ああ、あれ。誰だってあの疑問は当然だと思うけどなあ。
まあ、体質では悪い事したなあ」
直が、目を好奇心で輝かせて身を乗り出した。
「それ、ボクの知らない話だよねえ?」
兄は笑いながら話し始めた。
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