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体質が変わったので 改め 御崎兄弟のおもひで献立  作者: JUN


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心霊警察・リクエスト(1)心霊特番再び

 徳川さんが言った。

「警察24時という警察官の職務に密着取材するテレビ番組は知っていると思う。前々から陰陽課に協力依頼はあったんだが、ひょうたんの開発や新たな体制が発足する事もあって、ここの心霊コーナーに協力するようにとの命令が下りました。

 慣れているし、広報もテレビ局側も希望していますし、御崎係長と町田係長。頼みますね」

 徳川一行(とくがわかずゆき)。飄々として少々変わってはいるが、警察庁キャリアで警視長。なかなかやり手で、必要とあらば冷酷な判断も下す。陰陽課の生みの親兼責任者で、兄の上司になった時からよくウチにも遊びに来ていたのだが、すっかり、兄とは元上司と部下というより、友人という感じになっている。

「心霊特番ですか。懐かしいなあ」

 御崎 怜(みさき れん)。元々、感情が表情に出難いというのと、世界でも数人の、週に3時間程度しか睡眠を必要としない無眠者という体質があるのに、高校入学直前、突然、霊が見え、会話ができる体質になった。その上、神殺し、神喰い、神生み等の新体質までもが加わった霊能師であり、とうとう亜神なんていうレア体質になってしまった。面倒臭い事はなるべく避け、安全な毎日を送りたいのに、危ない、どうかすれば死にそうな目に、何度も遭っている。そして、警察官僚でもある。

「スタッフは前のメンバーなんですかねえ」

 町田 直(まちだ なお)、幼稚園からの親友だ。要領が良くて人懐っこく、脅威の人脈を持っている。高1の夏以降、直も、霊が見え、会話ができる体質になったので本当に心強い。だがその前から、僕の事情にも精通し、いつも無条件で助けてくれた大切な相棒だ。霊能師としては、祓えないが、屈指の札使いであり、インコ使いであり、共に亜神体質になった。そして、警察官僚でもある。

「それより、僕達が協力するのは構わないんですが、もっと若い人員を使った方が良くないですか?

 まあ、信山は組織の連中に見つかったらまずいですけどね」

 言うと、聞いていた皆がそわそわし出す。何故か髪を手櫛で整える者もいる。

「まあ、取り敢えず打ち合わせには2人で出て。それでその件も含めて相談してみよう」

「わかりましたぁ」

「はあ。面倒臭いな」

 楽しかったが、面倒臭い事も色々あった。

 それでも、少しだけ楽しみに感じたのも事実だった。


 出演者やメインスタッフと会議室で会うと、懐かしい顔ぶれも並んでいた。

「いやあ、久しぶり!元気そうだねえ!まあ、別の事件でお世話になったけどさ!」

 甲田さんがにこやかに笑って、僕と直の手を握りに来た。

「お久しぶりです。

 えっと、別の部署に異動されてましたよね?」

「何言ってんの!心霊特番と来れば、放っておけないじゃない!あはははは!」

 相変わらずな感じだ。

 訊くと、プロデューサーとして担当するらしい。

「ディレクターの愛田です。これを子供の頃はいつも楽しみにしていたので、今回の仕事は、大変光栄です。よろしくお願いします」

 こちらも愛想がいい、そして顔色が悪い人だった。

「久しぶりだねえ。またよろしく」

 高田さんはにこやかに笑う。タレントとして益々人気で、最近では冠番組をいくつも持つほどになっている。

「いやあ、どうも」

「全然変わらないなあ」

 ミトングローブ左手右手が肩をバンバン叩きながら言う。人気は相変わらずで、漫才以外にも、時々ドラマにも出演するようになっている。

「いいなあ。

 それより今回も、ヤバくなる前に言ってね。できればもう少し早く穏便に」

 えりなさんは、握手した手をぶんぶん振りながら笑って言う。えりなさんは、旅番組やグルメ番組によく出ているらしい。

「それと、美里様の代わりに加わってくれた、ユーヤ」

 若くて細身でキツイ顔立ちの男が紹介される。

 勿論知ってるだろ、という空気だが、そう言って直に視線を向けているあたり、よくわかっている。

「人気ロックバンド『スラッシュ』のボーカルだよねえ。凄い人気だもんねえ」

 直がにこにこしながら言う。

 僕も勿論知っている。なぜなら、先に出演者一覧をもらったので、調べておいたからだ。

「フン。オレは幽霊なんて怖くないからな。オレは怖い物なんてない!」

 そう言い切るユーヤを、高田さんとミトングローブとえりなさんが、生暖かい目で見た。

「うんうん、わかるよ。わかる」

「でもね、すぐにわかるから」

「ああ。素人の怖さってやつをさ」

「あれって、マジなのよ」

 ユーヤは目をやや泳がせて、

「何を言ってるのか」

と言う。

「ははは。カメラが回ってない所では別にいいんですよ、キャラを演じなくても」

「安心して下さいねえ。怖がっても、ばらしたりしませんからねえ」

 僕と直が親切に言ってやったら、ユーヤはギョッとしたような顔で慌ててサングラスを付けて、よそを向いた。

 それを見て、甲田さんが嬉しそうに笑う。

「これこれこれ!帰って来たな!」

「俺達の天然S型霊能師!」

 和やかに顔合わせはスタートした。



 



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