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体質が変わったので 改め 御崎兄弟のおもひで献立  作者: JUN


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チビッ子編 / なにかいる(3)真夜中の恐怖

 司は日記代わりの一言メモに、


     夜中の怪談番組を見た。怖いのを大丈夫と強がるのもかわいい。

     泣き虫は卒業したが、怪談はまだ早かったかも知れない。


そう記入して、思い出してクスリと笑うと、電気を消し、ベッドに入った。

 必死になりながらも泣くまいと頑張るところが成長したんだなあ、などと思い、そのうちに生意気になったりするんだろうかと考えて怪談どころでなく恐ろしくなるうちに、いつの間にか寝入ったのだった。


 どのくらいしただろうか。

 何か気配のようなものを感じて、司は目を覚ました。

 何時だろうかと思ったが、枕元の目覚まし時計に目を向ける前に、それに気付いてギクリとした。

 なにか、いる。

 目の玉だけを動かして、部屋の中を見る。

「――!!」

 危うく、叫ぶところだった。真夜中と思しき時間に叫んだら、怜が起きてしまう!そう思って、声を殺した。

 ベッドのすぐ脇、足元の方に、黒い影がうずくまっている。

 反射的に怪談を思い出した。

 バカな。あれはフィクションだ。幽霊なんて――見た事は確かにない。しかし、それで即、いないと断定するのはどうだろうか。

 こんな時にそんな風に考える事が、司も混乱しているという事だろう。

 いつもなら、怪しいやつがいたら、怜に影響が及ばないようにと、即、排除にかかるはずである。

 と、その黒い影が動いた。

 目の部分が光る。

 目が合った。

「……何してるんだ、怜。そんなところで体育座りをして」

 動揺を押し隠して、司は訊いた。

「兄ちゃん……」

 怜が、泣きそうな声で答えた。

「怖いよぉ……」

 司は内心で、俺も今、物凄く怖かった。そう思いながら、ベッドの上で横にずれた。

「しょうがないな。おいで」

 言うと、怜は素早く司の横に潜り込んできて、ピタリとくっつく。

 それで時計を確認すると、午前2時だった。

「まだ早いから、寝なさい」

「うん。おやすみ」

 司は子供特有の高い体温を暑いと思いながらも、まだまだ子供だな、と思うと、安心するやら嬉しいやらで、ホッとするのだった。


 








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