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ネトゲキャラクター達の本音 ~メンテナンスという休日~ その1

まとまった休日なんていついらいだろう。そんなことを思いながらチマチマ書いていた続編を何年振りに投稿します。私も夏休みほしいな・・・

 現実世界で深夜2時、オフ部屋のゲート前が割れんばかりに騒がしくなる時間、いわゆるメンテナンス開始時間がやってきた。「やっと休日だ!」「メンテギリギリまで遊ぶなよ」などといった歓喜や愚痴が飛び交う。その中に美羽みはね昭義あきよしも居た。しかし二人の顔は別人のようにやつれており、相当な疲労が見て取れた。

「やっと、やっと解放された・・・」

 絞りだすかのような声で美羽が言うと、昭義は目をつぶったまま天を仰いだ。そして今にも倒れそうな歩き方で二人は自分たちの部屋へ歩き出す。いつもなら周りと同じ様に愚痴なり解放された喜びなりを言いながら、GDを使って烈火達と憂さ晴らしをするが、今はただまっすぐ自室に向かっている。

 中の人が夏休みということもあって二人は昨日の晩から次の日の昼前、大体15時間休まずにインしていたのだ。

 プレイヤー、ここでいう中の人達はトイレ休憩や飯休憩といった時間があるが、アバター達はプレイヤーが休憩していてもログアウトしない限り自由はない。むしろ休憩で離席している間、ただひたすら立つだけという苦痛が待っている。そんな苦痛を含めた約15時間を二人は乗り切ったのだ。

 そんな二人はGDに着信やらチャットが届いてバイブレーションしているのも気に留めず、ただただ部屋に向かって前進していた。

 ベッドで入って寝る。

 二人にはそのこと以外頭になく、それ以外のことは考えられなかった。


その頃他のキャラ達はというと・・・


「長期メンテだ!この2日間遊びまくるぞお前達!」

そんな掛け声をクージが響かせながら居酒屋で飲んだくれていた。

クージはジョッキを4本持って叫び、烈火がそれを落ち着かせ、バーゼンが慌てふためいている。そしてそんな光景をござるが眺める。椿姫は団子を笑顔で頬張り、鬼灯姫は気怠そうに酒を飲み、秋姫は食べこぼしをする椿姫を世話している。いつも通りの光景だ。違うとすれば美羽・昭義・雪姫がいないのと、長期メンテ(24時間)であることだ。

 いつもなら誰かがインの関係でいなくなるとお開きになるが、その心配も無いため(主にクージが酔いつぶれるまで)飲んでいる。

「やはり美羽と昭義には繋がらんか?」

ある意味飲み会の中心であるクージが烈火に言う。

「まぁ俺がイン確認してから12時間はこっち来てないんで、多分どんなに呼んでも出ないと思いますよ。秋姫、雪姫はどうだ?」

「なんでマスターと一緒にいられた幸せな一日の最後をあんたたちと過ごさないといけないわけ?だそうよ」

「まぁ、そうだよなぁ」「むしろ来たら来たで怖いよ」と烈火がため息をつき、バーゼンがほっとした。

 それを聞いていたクージは「根性が足りんのぉ!」などと言いながらまた1つジョッキを空にしたのだった。

「烈火こそ、他の4人はどうしたんだよ」

面倒くさそうに、しかしどこか期待した声音で鬼灯姫が言う。続けて秋姫が

「メインキャラの綾火あやかはまだログアウトしたばかりで来れないとしても、一火いちか業火ごうか氷火ひょうかはも来ててもおかしくないとおもうけど」

と烈火に投げかけると「一火は昼寝、業火はバイト、氷火は釣りだそうだ・・・」とこれまた深いため息をつきながら答えるのであった。

「綾火は少し休憩してから来るらしいから、それを考慮して4時間後には全員揃うように準備はしたさ」

 プレイヤーが一緒なのにもかかわらず、世話焼きな烈火に対して、メインで使われている綾火を除きなぜここまで自由奔放なキャラが三人もできたのか。反面教師なのかそれとも運命なのか。どっちにしろため息が絶えない烈火なのであった。

「なら綾火たちが来たら美羽と昭義、可能なら雪姫も回収しに行くかぁ!それまでは飲み明かすぞぉ!」

 クージの言葉に各々返事をし、キャラクターたちのささやかな休日は進むのであった。

読んでいただきありがとうございます。少しでも楽しんでいただければ嬉しい限りです。

美羽と昭義の気持ちはすごくわかります、というか日頃の私ですね、はい。

誰視点でもない、日常風景を描いたつもりです。その2は一応烈火視点の予定です。あくまで予定・・・

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