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倉庫の危機

 そいつが何を持ち出したのか、そんなことはどうでもいい。

 倉庫への用が済んだ人影が扉を閉め、鍵をかける。

 あたしの用は、もう済んでいる。

 セーラー服のポケットに生徒手帳をしまう。

 収納物の隙間を擦り抜けた先に、あの裏扉がある。

 さて、「地獄極楽通行自由自在鍵」を回せばまた……。

 鍵は開かなかった。

 針金を引き抜いてみた。

 別にどうっていうことはない。

 というより。

 こんな複雑に曲がった針金、どうやったらば鍵が開くの!

 どうするとそれができなくなるの!

 流儀が違うんだから分かるはずないでしょ!

 思うに。

 獣志郎が最後に警告したかったのは、これだ。

 使いすぎると出られなくなる。

「最後の扉だけは開けといてもいいでしょうが!」

 全部閉めるって言い出したのはあたしなんだけど、そこは置いとく。

 先に話をふったのは、獣志郎。

 どっちみち、人のせいにしたってここからは出られない。

 あたしは、次の行動に移った。

 鍵穴に鍼を差し込む。

 この鍼は、吉祥蓮独特の製法で作られてる。

 ちょっとやそっとのことでは、折れたり曲がったりしない。

 しかも、錠前外しくらいは母さんに仕込まれてる。

 でも、忍者としての技を使っても、鍵は開かなかった。

 どうやら、他の鍵を受け付けなくなるらしい。

 鳩摩羅衆の「地獄極楽通行自由自在鍵」で開けた扉は……。

 反省。

 違う流儀の忍法を中途半端に使うと、後始末ができなくなる。

 それなら。

 あたしは、鏡のだの棚だの、あれやこれやを再び難儀をして乗り越えた。

 さっき外から閉じられた方の扉を確かめてみる。

 ツマミも鍵穴もなかった。

 当然といえば当然だ。

 裏扉から入って鍵をかければ、表の扉を内側から開ける必要はないのである。

 人を閉じ込めてしまわない限り……。

 そんなことは、設計した側も想定外だったろう。

 災難が想定外なのも当然だ。

 つまり、あたしはここから出られない。

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