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こちら、駒桜高校将棋部Outsiders  作者: 稲葉孝太郎
第16局 香子ちゃん、K戸に降り立つ編(2014年8月25日月曜〜26日火曜)
162/682

150手目 中高生将棋指しの人狼(初日〜4日目夜)

【役職 16/16名】

 素村6、共有者2、占い師1、霊能者1、狩人1、狼3、狂人1、狐1


【禁止事項】

・第一犠牲者の就職あり(=役職欠けあり)

・素村の騙りは最終日のみ許可。

・ランダム噛み、ランダム護衛、ランダム占いは禁止。

・利敵行為禁止。

・投票は同数やり直し4回で引き分け。

・昼時間のメタ推理(性格や人間関係の読み)は禁止。


【参加者】

高校2年生 淡路、裏見、松平、桐野

高校1年生 大場、葛城、来島、捨神、鳴門、難波、萩尾、ポーン、箕辺、米子

中学3年生 我孫子


※簡単な用語解説は、以下の話でおこなっています。


高校生将棋指しの人狼(初日〜2日目夜)

http://ncode.syosetu.com/n8275bv/241/

 というわけで、割り振りも決まり、いざ、出陣ッ!



【2日目 昼 15/16名】


 第一犠牲者さんが無惨な姿で発見されました。


「おはよう」

「おはようございます」

「おはようっス」

「Guten morgen」

「おはよう」

「おはよぉ」

「おはようッ!」

「おはようでやんす」

「おはようさん」

「ふわぁ……おはよう……」

「おはようございます」

「アハッ、おはよう」

「おはようですぅ」

「おはよ」

「おっはー」

 騒々しい挨拶が終わって、お互いに様子見。

 周囲の景色は、町外れの墓地だった。

 昼時間だから明るいけれど、雰囲気が出てて、ちょっと怖い。

「この様子だと、●は出ないっぽいねぇ」

 葛城かつらぎくんは、なんだか可愛らしいポーズ。

 私は早速、手を挙げた。

「占いCO、淡路あわじさん○」

 みんなの視線が集まる。あんまり見ないでくださいな。

「対抗いないのぉ?」

 葛城くんの問いかけに、みんなキョロキョロする。

 ……………………

 ……………………

 …………………

 ………………

 あれ? 対抗なし?

「霊能は、出ないんっスか?」

「はぁい、おはなが霊能さんですぅ」

 桐野きりのさんが挙手して、1−1になった。

 これまた対抗が出ない。

「ほんとに1−1スタートなのぉ?」

 葛城くんは、首をひねる。すると、ポーンさんが、

「潜伏の可能性もありますわ。決めつけは、よくありませんことよ」

 と言ってから、占いの理由を訊いてきた。

「今日知り合った面子のなかで、同学年のひとを占ったわ」

「どういうことですかしら?」

「ンー、なんていうか、情報収集?」

「情報優先で占うなら、男子のほうがいいと思うっスけどね」

 なんでよ。大場おおばさん、謎の突っ込み。

「まるで、合コンのようでやんす」

 我孫子あびこくんは、扇子で頭をぺちぺち叩いた。

 今後の方針を決めたいから、さっさと議論する。

「共有さんは、潜伏するつもりなのぉ?」

 そうそう、共有が出ないから混乱するのよ。

「ほな、共有CO。相方は、松平まつだいらはん」

「相方、難波なんばで合ってる」

 なにぃいいいいッ!?

「というわけで、うちらが仕切らせてもらうでぇ。グレランや」

 方針が決まって、あたりがいろいろと動き始める。

「ほんとに1−1? どっちか欠けてるんじゃないの?」

 鳴門なるとくんは、役職欠けを示唆した。

「欠けとか見るような局面っスか?」

「2wならまだしも、3wで狼騙りが出ないってことは、ないと思うよ」

「それは、そうっスけど……」

 大場さん、なんだが押しが弱いわね。

「アハッ、鳴門くんも大場さんも、仲良くやろうよ」

 いや、そういうゲームじゃないでしょ。

 捨神すてがみくん、ゲームの趣旨が分かってないのかしら。

「欠け発言にわざわざ噛み付くのは、印象悪いよぉ」

 葛城くんは、くちびるに指を当てて、首を傾げた。

 さっきから、なんなんですか、そのポーズは。

「あっしも、カワイ子ちゃんに賛同するでやんす」

「え、ほんとぉ?」

「ほんとのほんとにカワイイでやんす」

 そっちかい。

「えへへぇ、ありがとねぇ」

「あとで、MINEのアドレスを教えて欲しいでやんす」

 男が男をナンパしてる構図。呆れ。

 ここで、萩尾はぎおさんが動く。

「淡路先輩、すこしはしゃべってもらえませんか?」

「あ、すみません……なんだかみなさん、楽しそうでしたので」

「初日○貰いがステルスだと、裏見先輩の信用が下がりますよ」

 いきなり信用を下げに来るのか。ちょっとびっくり。

「これは、失礼しました。しかし、話題がありません」

 淡路さんは、あくまでも会話を避けた。

「あれ? もえっち、淡路先輩には話しかけて、俺っちには突っ込まないの?」

 米子よなごくんは、髪の毛をいじりながら、萩尾さんに尋ねた。

 そう言えば、米子くんもここまでステルスだ。

耕平こうへいは、○もらってないからね」

「○もらってなくても、しゃべらないのはダメっしょ」

「ダメだと思うならしゃべれば?」

 萩尾さん、つれない。

来島くるしまも、なにかしゃべったほうが、いいんじゃないか?」

箕辺みのべくんこそ、なにかしゃべらないと、吊られちゃうよ?」

「ンー、そうだな……留守番の飛瀬とびせ佐伯さえきがなにをしてるか、当てるか?」

「なにって、手品でしょ」

 このふたり、夫婦漫才みたいな会話してるわね。

「Aha, warum ist er nicht hier……」

「エリーちゃん、どうかしたんっスか?」

「な、なんでもありませんわ」

《残り30秒です》

 ほらほら、アッと言う間に時間が過ぎた。

 とはいえ、みんなしゃべったし、票がバラけそう。

《それでは、投票してください》


 我孫子 → 箕辺

 淡路  → 来島

 裏見  → 箕辺

 大場  → 我孫子

 葛城  → 来島

 桐野  → 来島

 来島  → 葛城

 捨神  → 大場

 鳴門  → 箕辺

 難波  → ポーン

 萩尾  → 米子

 ポーン → 捨神

 松平  → 箕辺

 箕辺  → 米子

 米子  → 鳴門

 

 村民会議の結果 箕辺みのべ辰吉たつきちくんが処刑されました。


 

 ワオーン

 

【3日目 昼 13/16名】


 エリザベート・ポーンさんが無惨な姿で発見されました。

 

「おは……」

「占いCO、鳴門くん●!」

 私の第一声に、みんな振り向く。

「く、黒出しっスか?」

「幸先いいでやんすよ」

「占い理由も、ちゃんと言ってやあ」

 私はひと呼吸おいてから、占った理由を説明する。

「ほんとは米子くんを占いたかったのよね。萩尾さんの発言に便乗しただけだし。でも、2票入ってたから、ここは吊り目と見て避けたわ。というわけで、私の信用を落としたのに1票だけの鳴門くん占い。結果は●」

 どうよ、完璧な理由付けでしょ。

 私がドヤ顔する一方で、難波さんは微妙な表情を浮かべた。

「ウーン、せやなあ……とりま、霊能結果聞こか」

「たっちゃんの色は、○でしたぁ」

 狼にしては、しゃべってなさ過ぎだものね。

「ほな、駿しゅんはCOある?」

 難波さんは、鳴門くんにCOを促した。

「ないよ」

「せやったら、仮指定、駿な」

「いいよ。裏見うらみさんは偽だね。やっぱり占い欠けてない?」

 この発言に、みんなは2通りの反応を示した。

「占い欠けなんて、見る必要ないでやんす。裏見姐さん盲信でやんす」

「占い理由自体は、納得かなぁ。鳴門くん、怪しかったしぃ」

 我孫子くんと葛城くんは、私のほうに味方した。

 我孫子くんの発言は、ちょっと微妙かな。盲信というのが気になる。

 すり寄って来てる気配があるわね。

すみちゃん、占い先に納得がいかないっス」

「ボクも、ちょっと変だと思う」

「大場さんと萩尾さんは、どこなら納得するの?」

 私は尋ね返す。テキトウに叩かれては、たまらない。

「鳴門くんを占うくらいなら、九十九つくもちゃんを占いたいっス」

「え? 僕なの? どうして?」

「九十九ちゃんはステルス目だったのに、1票もらいっス。しかも、九十九ちゃんに入れたエリーちゃんは、噛まれちゃったっス。ここ狼あったと思うんっスよね」

「一度に占えるのはひとりだけだから、しょうがないでしょ。それに、捨神くんは狼にしてはステルス過ぎたわ。吊られてもおかしくなかったわけだし。票が入らなかったのは、たまたまだと思うわよ」

 あと、『あった』ってなによ。なんで過去形で話すかな。

 まあ、追求する時間がもったいないし、次に移りましょう。

「萩尾さんは、なんでおかしいと思うの?」

「駿が人外目っていうのは納得なんですけど、どちらかと言えば、狐目でしょう。1wも見つけていない局面で狐を溶かしたら、危ないと思います」

「狐と狼の区別なんて、つかないわよ。人外目狙いなら、それでいいじゃない」

 これには、米子くんが噛み付いてきた。

「そこは、俺っち、納得できないっすね。狐目と狼目の境はありますよ」

「私は自分のセンサーに、そこまで自信がないわね」

 ほかに質問はないかと、私は尋ねた。特にないようだ。

「ほな、噛み先について考察してや」

 共有は、難波さんが仕切ってるみたいね。松平はだんまりだ。 

「こんなの、普通に狩目狙いでやんす」

 我孫子くん、よくしゃべる。

「えぇ? これ、狩目に見えないよ?」

 異議を唱えたのは、●もらいの鳴門くんだった。

「ほかに、なにがあるでやんすか?」

「意見噛みじゃない? ポーンさんも、占い師を疑ってたよ?」

 なるほど、たしかにポーンさんも、潜伏占い師の存在を示唆していた。

 潜伏占い師がいるということは、私が偽だということだ。

「それは杜撰な推理でやんす。意見噛みなら、鳴門くんを噛んで、ポーンさんに●を打ったほうが、効率がいいでやんす。占い師の信用落としは、鳴門くんのほうが酷かったでやんすからね」

 我孫子くんは、全力で私を擁護しに来ている。

 これがどういう意味を持つのか、頭の片隅に置いておきましょう。

「ほかのひとも、どんどんしゃべってや」

「来島さんは、なんでボクに投票したのぉ? 浮いてるよねぇ?」

 葛城くんは、来島さんに尋ねた。

「自分の胸に訊いてみれば、分かると思うよ?」

「ふえぇ……私怨のにおい……」

「っていうか、なんでみんな箕辺くんに入れたの? 理由を訊きたいかな?」

 来島さんは、よく分からない質問をした。

 箕辺くんが吊られたのって、私からみたら順当なんだけど。

「そんなの決まってるでやんす。寡黙目は吊り。常識でやんす」

「我孫子くんと同じよ」

「俺も、我孫子、裏見と同じだ。あの発言数じゃ生き残れないぞ」

「偽占い師に同意するのは癪だけど、僕もそう思うよ」

 箕辺くんに入れた面子――我孫子くん、私、松平、鳴門くんが答えた。

「そうじゃなくて、ステ目のなかで特に箕辺くんを吊った理由です」

 む、鋭い質問。これには、鳴門くんが答えた。

「それは、単純だよ。箕辺くんのほうから来島さんに話しかけただろう? あれは、発言稼ぎするためさ。だから、より人外目と見て、箕辺くんのほうを吊ったよ。霊能結果は白だけど、狐か狂人が吊れてる可能性は、あるんじゃないかな」

 鳴門くんの答えに感心していると、またまた大場さんが突っ込んで来た。

「鳴門くんがそれ言えるなら、やっぱり狼じゃないと思うっス」

「なに? 私が偽占い師だって言うの?」

《残り30秒です》

 おっと、そろそろタイムリミットだ。

 難波さんは、鳴門くんを本指定にしてから、残りのコメントを募集した。

 まだ発言していない淡路さんと捨神くんが口をひらく。

「私は○もらいですが、真偽はフラットで見ています」

 あらあら、自分の○に疑われてる。理由を言って欲しいわね。

「箕辺くんが吊られたのは残念だけど、僕は村だと信じてます」

 なんだか少年漫画みたいなコメント。

《それでは、投票してください》


 我孫子 → 鳴門

 淡路  → 鳴門

 裏見  → 鳴門

 大場  → 鳴門

 葛城  → 鳴門

 桐野  → 鳴門

 来島  → 鳴門

 捨神  → 鳴門

 鳴門  → 我孫子

 難波  → 鳴門

 萩尾  → 鳴門

 松平  → 鳴門

 米子  → 鳴門

 

 村民会議の結果 鳴門なると駿しゅんくんが処刑されました。



 ワオーン


【4日目 昼 11/16名】


 桐野きりのはなさんが無惨な姿で発見されました。

 

「なんで霊能護衛しないんっスかッ!? 占いCOっス! 我孫子くん○、九十九ちゃん○、米子くん●っス!」

 くッ、やっぱり出て来たわね。変な動きしてると思ったわ。

「占いCO! 米子くん○!」

 占い師が追加されて、難波さんと松平は、おたがいに顔を見合わせた。

「ちょいと予想はしてたんやけど……占い理由、教えてくれる?」

「初日は知らないメンバーの男子から占ったっス。女の子のほうが、思考は読みやすいと思ったからっスね。九十九ちゃんを占った理由は、昨日話したっス。米子くんを占ったのは、話題を振らずに便乗が多かったからっス。見事に●だったっス」

 大場さんは、両手でにぎりこぶしを作り、ガッツポーズ。

「私の占い理由を言うわね。まだ2w生存だから、狼目狙い。大場さんは私叩きが露骨過ぎて、狂人か狐だと思うから、便乗目で、最初に怪しんだところを占ったわ。結果は○」

 理由を聞き終えた難波さんは、松平と相談し始める。

「どないする?」

「とりあえず、米子にCOを聞こう」

「あ、俺っちCOはないっすよ」

「じゃあ、米子仮指定で」

 松平は指示を出してから、私と大場さんに向き直る。

「裏見は、異議があるなら、言ってくれ」

「私もそれでいいわ。まだ5吊りあるし。ただ、大場さんが占い騙りしてきたところを見ると、捨神くんが狼なんじゃないかと思う。指定しどころだったし」

「それは、角ちゃんの台詞っス。米子くんを囲うつもりだったんじゃないっスか?」

「囲いにみえるのは、大場さんのほうでしょう」

「角ちゃんの占い先は、ゴージャスにデザインされてるんっスよ」

 水掛け論をストップさせるように、萩尾さんが割り込んだ。

「今は、そういうことしてる場合じゃないです。グレーで殴り合わないと」

 私は彼女に、不満げなまなざしを向ける。

「萩尾さんには悪いけど、それこそ狼の思うツボじゃない? 私視点、大場さんが捨神くんをかばった狼なら、鳴門−大場−捨神で3wってことになるわ。その場合、グレーに狼はいないのよ。狐が残ってるだけ。大場さんと捨神くんは、グレー同士を殴り合わせて、狐を吊らせるつもりなんじゃない?」

「裏見先輩、ここにきて、グレーに狼がいないと思うんですか? 鳴門−大場−捨神で3w完成してるなら、むしろ狐処理が優先でしょう。なんだかフラついてません?」

 ぐぅ、なんで私を殴りに来るかな。大場さんを殴りなさいよ。

「萩尾さんは、大場さんを真占い師だと見てるの?」

「大場さんが狼騙りなら、3日目には出てますよ。鳴門くんが●を打たれてるんですから、ほかに●を打つか、あるいは早めに囲っておかないといけないです。もちろん、それだけで真だとは言いません。大場さんが偽物なら、やはり白人外……狐か狂人だと思います」

 ここへ、米子くんが割り込んでくる。

「萌っち、大場さんが狂人に見えるの? ありえなくない?」

「どうして? 大場さんは、ずっと素村っぽくない動きをしてたよね?」

「素村っぽくない=狂人は、理屈が飛んでるって」

「そうは言ってないよ。大場さんは、捨神くんが狼だと気づいて、慌てて囲いに来た狂人かもしれないってこと。裏見先輩が今日○を出したら、グレー吊りは確実だろう。そのときの候補として、捨神くんはかなり上位だからね」

「アハッ、議論の最中に申し訳ないけど、大場さんが狂人なら、狼はなにしてるの? 騙りを出さないで勝つのって、この内訳だと、相当厳しいと思うんだけど? 裏見先輩が真なら、僕、鳴門くんともう1匹なんだよね? 無謀過ぎない?」

「そういう無謀な作戦を取ったから、狂人の大場さんが苦労してるのかもね」

 萩尾さんは、断定を避けた。今度は、来島さんが口を挟む。

「うぅん、今の捨神くんの言い方、ちょっと気になるかな」

「え? なんで?」

「『裏見先輩が真なら』って、捨神くんは、だれを真占いだと見てるの?」

「僕は、第一犠牲者もあると思ってるよ」

「それは可能性を広げてるだけで、質問に答えてないよね?」

 捨神くんは、アハハと笑った。

「ごめんごめん。でも、ほんとうにフラットに見てるよ」

「あくまでもごまかすんだね……これ、大場さんの信用が、ちょっと下がったかな」

 ん、今の発言、私に有利だけど、気になる。

「来島さんこそ、だれを真だと見てるの? 私? 大場さん?」

「正直、両偽を追ってます。占い先が、どっちも微妙なので」

「両偽? それってレアケでしょ? 第一犠牲者しか占い候補がいないわよ?」

「箕辺くんの霊結果は○でしたよ?」

 いやいやいや、あんなに寡黙な潜伏占い師はいないでしょ。

 なんだか、やたらと箕辺くんにこだわるわね。

遊子ゆうこちゃん、角ちゃんのことも疑ってるんっスか?」

「出るタイミングがおかしいでしょ? なんで昨日出ないの?」

「そ、それはっスね……迷ってるうちに、議論が進んじゃったっス」

 大場さん、その答弁はマズい。私がポイントを稼いだ格好。

 と思いきや、ここで葛城くんが口をひらいた。

「でも、大場さんは、潜伏占いアピールしてたよねぇ。『情報優先で占うなら、男子のほうがいいと思うっスけどね』って言って、我孫子くん占いだし、3日目もつっくんを占ったような発言をしてたよぉ。だから、大場さんが慌てて出て来たっていうのは、ちょっと信じられないかなぁ」

 これに、来島さんが便乗する。

「ほらね、大場さんが狂人っていうのはないよ。占い師を騙るタイミングを見計らっていた狼か狐さんで決まり」

「な、なんで真を見てくれないんっスか?」

「真なら昨日出てるって、さっき言ったよね?」

 大場さんはあごに手をあてて、来島さんをじろじろ眺める。

 なにか怪しんでるわね。

《残り30秒です》

「完ステは、あかんで。しゃべってないひとは、しゃべってや」

 一言も発していないのは、淡路さんと我孫子くん。

「あっしは、裏見姐さんを真目、大場姐さんを狂人で見てるでやんす」 

 ん? ここで狂人推し?

「そうですね……これまでの議論からして、ラインらしきものが、ほとんどみえてきません。あるとすれば、大場さんと捨神くんくらいでしょうか。もしかすると狼陣営は、個別行動をとっているのかもしれませんね。ラインを切り合っているところに、狼のペアがいる可能性もあります」

 む、最後の最後で、マトモな意見が出た。

《それでは、投票してください》


 我孫子 → 米子

 淡路  → 米子

 裏見  → 米子

 大場  → 来島

 葛城  → 米子

 来島  → 米子

 捨神  → 米子

 難波  → 米子

 萩尾  → 米子

 松平  → 米子

 米子  → 大場


 村民会議の結果 米子よなご耕平こうへいくんが処刑されました。



 ワオーン

 

【5日目 昼 8/16名】


 来島くるしま遊子ゆうこさんが無惨な姿で発見されました。

 大場おおば角代すみよさんが無惨な姿で発見されました。

 

「占いCO! 大場さん○!」

【ルール解説】

《人狼とは》

 村陣営、狼陣営、狐陣営に分かれてお互いを駆逐し合うテーブルゲームである。


《役職》

〔村陣営〕

・素村

 村陣営の基本ユニットで、何の能力もない。

・占い師

 毎晩ひとりを占って、その正体を判定することができる。

 村人(狂人含む)は○、狼の場合は●、狐の場合は○が出た上で死亡する(呪殺)。

・霊能者

 昼時間に吊られた人物の正体を、夜時間に見ることができる。

 村人(狂人含む)か狐の場合は○、狼の場合のみ●となる。

・共有者

 村の進行役。お互いの正体が分かり、夜時間に相談することができる。

・狩人

 毎晩ひとりを護衛して、狼の襲撃から守ることができる。

 

〔狼陣営〕

・人狼

 狼陣営の主役。合議制で、毎晩ひとりを襲撃して殺すことができる。

 狼が狼を選択することはできず、狐を噛んだときは逃げられてしまう。

・狂人

 村人でありながら、狼陣営をサポートする裏切り者。


〔狐陣営〕

・妖狐

 村人にも狼にも与しない第三陣営。

 

《勝利条件》

〔村陣営〕

 狼と狐を全滅させる。

 

〔狼陣営〕

 狼の数≧村人の数になる。


〔狐陣営〕

 村陣営あるいは狼陣営の勝利条件が発生したときに生存している。

 

《進行》

1 昼時間

  みんなで議論する時間。

2 投票タイム

  誰を処刑するかを決める。

3 夜時間

  役職持ちは能力を実行、狼は襲撃。

  それ以外のメンバーは考察。


以下、どの陣営かが勝つまで、1→2→3を繰り返す。

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