君がいる場所、僕が帰る場所

プロローグ

僕は世界がこんなに綺麗だなんて一度も思ったことはない。

思ったところで何になる？

今までだって、空を見なかった。

僕が見て来た世界は、綺麗すぎたんだと思う。

綺麗すぎるほど、汚れた時の衝撃は大きい。

僕は一度として、君を汚したいなんて思わない。傷つけたくない。

だって君は"ワレモノ"だから。いつも僕が包んであげないと、いつ割れるか分からない。

僕はそれが怖くて…いつもいつも怯えていた。

25年間、

僕は何を見てきたのだろうか…。