プロローグ
火に呑まれて風は焼かれ、風に呑まれて地は削られ、地に呑まれて水は穢され、水に呑まれて火は乱される。
度重なる戦争と人々の恐怖に世界は少しずつ疲弊していった。
地は枯れ、水は濁り、風は死に、火は荒れ狂う。
世界が疲弊していく度に過酷な世界になる世界に、人類は耐えられず数を減らしていった。
そうしてそうやく愚かな人類は戦争を止めたが遅かった。
世界は弱り切り、とうに消えかかっていたのだ。
それに気付いた人類は恐怖で荒れ狂った。
ある者は、弱りきった世界を再生するべく自然を育み。
ある者は、どうせ死ぬならと自ら命を断ち。
ある者は、世界に祈り。
ある者は、現状に目を背けて。
ある者は、最後まで裕福でありたいと戦争を続け。
ある者は、最後は何かの役に立って死にたいと戦場に赴き散っていった。
そうして世界はとうとう世界は終わるかと思われた時、世界にある存在が生まれた。
その名は〝魔法を使う者〟。
その姿は人に近く人のように思えるが概念に近い存在らしく、簡単に奇跡を起こしていった。
世界を癒し。無を有に変え。壊れたものを直し。世界を害する者達を排除していった。
そうして世界は人類が生きていけるまで回復した。
その者達は己を形作る概念を個々で持っているらしく、己の概念に沿うような性格だった。
まるで概念が人になったならこんな感じだろうな、という正に概念そのもの。
そしてその者達から人々は奇跡を行使する術を学ぶ。
世界と契約して奇跡を行使する許可を貰い、そして許可証という魔力を使い小さな奇跡を起こす。
それが〝魔術を操る者〟。
そしてそんな〝魔法を使う者〟という概念に愛されたものを、〝奇跡を願う者〟と呼んだ。




