第30話 救済
俺は中山家の人たちに背を向けて三体のドラゴンと対峙する。
左から青、赤、緑となっていることからそれぞれのドラゴンが扱う属性が分かりやすい。
戦闘は基本先手必勝だ。
俺は一息ついてから真ん中の赤龍に狙いを定めると素早く詰め寄り顎に向かって下から拳を振りあげる。
俺の拳は赤龍の顎に上手くヒットしたはずだがあまりダメージが入っていないのか赤龍の眼が俺の事をギロリと睨みつけてくる。そして続けざまに口から炎を吐いてくる。
俺は後方にステップを踏みながら回避するが横からは水と風が襲い掛かってくる。
やはり青龍と緑龍もそう簡単に1対1にはしてくれないようだ。
俺は体制を立て直すために一旦下がるが、すぐ後ろには中山家の方々がいるためこれ以上下がることが出来ない。
「異能破壊」
俺は俺の能力で三体の龍の攻撃を無効化する。
この程度であったら後ろにいる中山に俺の能力がバレることもないだろう。
自らの技が消されたことに戸惑ったドラゴンの隙を見逃さず俺は赤龍に襲い掛かる。
龍と言う生き物は全身を鎧のような鱗で覆われているが、鱗がない部分が一か所だけある。
それが顔だ。
地面から飛び上がり相手の顔付近まで近づくと右足で蹴り上げ、左足で追撃をする。
そして相手のドラゴンが目を瞑った瞬間に両手の拳で顔面を乱打する。
赤龍が崩れ落ち初めて地面に横たわる。
俺はそれを眺めながら地に降り立つ。
赤龍はまだ死んでいないが、理解が追い付かない事だろう。
自分より弱いはずの人間にここまで追い詰められているのだから。
他の二頭も現状に戸惑っているのか次の動きを見せない。
崩れ落ちた赤龍が立ち上がろうとするが俺がそれを許さない。
「永遠に寝ていろ、この侵略者が」
俺は足を高く上げ、相手の頭向かって振り下ろした。
「グガァァァァァァァァァァ!!!!」
赤龍は最後に大きな咆哮を上げてから地面に突っ伏した。
それを見て本能的に危険だと察したのか青龍と緑龍は少し後退する。
しかし俺はそれを許さず体を反転させて青龍に狙いを定めてから追撃する。
勿論狙いは顔面だ。
青龍が水を吐こうとしてくるが口の中に水が集まり始めた時点で俺は異能破壊を使いそれを阻止する。
そして顎を右足で蹴り上げてから、右足を軸に体を回転させ青龍の横顔に左足で強烈な一撃をお見舞いする。
「グ、ガアアアァァァァァァ!!!!」
すると青龍は大きな体を崩して地面へと突っ伏す。
俺は二体の龍を撃破して大分疲れが溜まり、少し休憩を挟みたいが残った緑龍がそれを許してはくれない。
仲間をやられたからか怒りに満ちた表情で横から口を開いて噛みつこうとしてくる。
それを横目に見ながら後方へとステップを踏む形で避ける。
空を嚙みついた緑龍は首を回転させて俺を追撃してくる。
俺はそれを体を捻って避けてから緑龍の身体の側面に蹴りを叩きつける。
相手は少し体勢を崩しかけたがすぐに立て直して口から竜巻を放ってくる。
「何度やっても効かねえよ。異能破壊」
俺はその攻撃を打ち消し、空中に飛び上がり上から足を思い切り振り下ろす。
いくら龍と言えど俺の蹴りをもろに喰らって無事に済むとは思えない。
俺は地面に着地して振り向くと緑龍は大きな身体を崩しながら倒れたところだった。
こうして俺は三体の龍の討伐に成功したのだった。




