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第23話 クラスの人気者

 それから俺たちはすぐにダンジョンから引き上げることになった。


 今日はどっちみちダンジョンの様子見だけのつもりだったので数回の戦闘を経験できそれなりにダンジョンの様子は分かった。それに学校帰りにダンジョンに潜ったこともありこれ以上は冒険者の初心者である俺たちは危険だろうという判断で引き上げることになったのだ。


 帰り道、俺たちは今日剝ぎ取った素材を換金するために冒険者ギルドに寄ることになった。


 俺たちは今日の事を話しながら歩いていると冒険者ギルド前で見知った顔を見つけた。


 いや、俺が一方的に知っているだけで向こうは俺の顔を覚えてないかもしれないが。


「あれ?山神君だよね?こんなところで偶然だね」


 どうやら怜音は認知されているようだ。


 まぁほぼ毎回午後の訓練で目立っているし逆に認知されていない方がおかしいだろう。


「それに龍崎君と藤村君も。三人とも冒険者になったの?」


 ・・・・・・前言撤回。


 この男、天上院光輝は俺みたいな影の薄い男の事も覚えてくれていたようだ。


 どうやら天上院がモテる理由は顔だけじゃなさそうだ。


 まだ瞬は天上院に続く形で女子人気も高いから認知されるのも分かる。


 しかし俺を認知しているという事はクラスメイトのほとんどの顔と名前が一致していそうだ。


 クラスの人気者に認知されているというのは心なしか少し嬉しい。


「あぁ、まぁな。そういう天上院も冒険者だったよな?」


「そうだね。僕たちもちょっとだけダンジョンに行ってたから今はマコと迅が素材の換金に行ってるんだ。僕はちょっと冒険者ギルドの中が苦手だから基本外で待ってるんだよね」


 天上院は怜音の問いに対して苦笑気味に答える。


 天上院は完璧超人ってイメージが強いが人ごみや暑苦しい場所は苦手なようだ。


「お、龍崎たちじゃん。龍崎たちも冒険者になったん?」


 ちょうど俺たちが冒険者ギルド前で話していたら素材を換金してきたらしい二宮と赤月が冒険者ギルドの中から姿を現した。


 俺は天上院はまだしも二宮までに名前が知られていることに一瞬驚いたが二宮の続く言葉で納得する事になった。


「確か最近中山たちと結構仲いいよな?噂になってたぞ」


 これで天上院が俺の事を知っている理由も判明した。


 影が薄い俺みたいな人間を常にキラキラしている天上院が知っていたのも同じ理由だろう。


 つまり学校一の美少女であり男子のほぼ全員が狙っておりモデルもやっている超絶美少女な中山礼奈と最近距離が近い男である俺の事が噂になっているようだ。


 あまり学校では目立ちたくはなかったがこれは仕方のないことだろう。


 これからはいつも以上に影を薄めて過ごすのがよさそうだな。


「山神君が強いのはいつも見てて分かるけど、龍崎君と藤村君には戦えるっていうイメージがなかったから冒険者になるなんて意外だね」


「確かにな。光輝の言う通り山神以外は戦えるイメージないよな。二人とも戦えるん?」


 天上院の言葉に乗っかるように二宮は俺と瞬を小馬鹿にしたように言ってくる。


 その言葉に対して怜音が何か言い返そうとしていたが瞬がそれを手で制してから言葉を発する。


「そうだね、僕も一樹もちょっとだけ怜音の足を引っ張っちゃてるかもしれないね」


 瞬に続く形で俺も二宮に対して言う。


「あぁ、俺も瞬も今は弱いかもしれないがいずれは強くなるつもりだ」


「自分で弱いって認めちゃ終わりじゃね?そんなんじゃいつまでも山神におんぶに抱っこだって」


 二宮が笑いながら俺らを馬鹿にしてくるのに怜音は我慢できないのだろう。


 歯ぎしりを起こしながら二宮を睨みつけている。


 瞬がいなかったら怜音も暴れていただろうな。


「マコ、もうそろそろ帰ろっか」


 天上院はどうやら性格はいいようで二宮がこれ以上何もしないように連れて帰ってくれるようだ。


「そうだな」


 先に歩き始めていた天上院に二宮も並んで帰り道を歩いて行った。


 そしてそれに先程から一切喋らなかった赤月もついていくように帰っていった。


 俺は赤月の雰囲気に何か違和感を感じたが気のせいだと思うことにした。


 多分普段騒がしいイメージがあったから一言も喋らなかったことに違和感を感じたのだろう。


「なんだ、あいつ!くっそうぜぇぇぇぇ!」


 三人が帰ってから怜音が我慢していたものを爆発させるように大声で叫んでいる。


「そうだね、僕も二宮君があんな性格だとは思わなかったな。天上院君のグループはいつも天上院君ばかりが目立っているしね。それにしても僕は二宮君よりも赤月君の方が気になったけどね」


「確かにな。学校ではもっと喧嘩っ早いイメージがあったからさっきみたいに学校の外では落ち着いているとは思わなかった」


「そうか?俺様はそこまで気にならなかったけどな。いつもあんな感じじゃねえか?」


 俺は「お前は周り見えてないだろ」という言葉を飲み込んで怜音の視野の狭さにため息をつく。


 それから俺たちは冒険者ギルドの中に入り素材を換金して、それを三人で分けてから今日は解散することになった。

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