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幼ロリ3(1200字)

ねっっむ

 和希がカミサマの像に触れようとした直前に、ココロは制止する。


「まって。ひとつ協力してほしいことがある。」


 ココロは和希に向かって服をはだけさせ、大胆に腹部を露出した。


「わっ!ちょっ! お兄ちゃんそういうの良くないと思う!」

「いいから、ちゃんとみて…」


 ココロに従い、恐る恐るお腹を凝視する。すると和希は、キラキラ輝く宝石に目を奪われた。


「……!? それは……?」


 その宝石というのは、ココロのおへそにぴったり埋め込まれていて、妖艶な光を放っていた。


「これは魔石。ここに和希の魔力を流しこんでほしいの。できるだけいっぱい。」


 ココロは和希の手を引いて自分の魔石を触らせる。ごつごつとした冷たい魔石と、ふにふにして温かいココロの腹肉が同時に手に当たり不思議な気持ちになってくる。


「……んっ。…ちょっと、くすぐったいからあんまり肌に触らないで」

「あごめん」


 魔力を注ぐというのは和希自身、特訓で魔法に触れる機会が増えてきたためにやってやれない事ではない。魔力の感覚を掴み、それをそのまま指先に集中させる。注ぐというより、集めた魔力が自然と魔石に吸われていくような手応えである。


「……んっ、…………んぁ。」


 時折漏れるココロの甘い声の感じから、この魔石が弱点であるのだろうかと邪推する。


「…んふっ、ふーっ。……たっぷり注ぎ込めたね」

「言い方ぇ」


 ココロは魔石の下を撫でながら「冗談。」と生いきに微笑んだ。


「……さてと、」ココロは目を閉じて意識を集中させる。

 魔力で満たされた魔石はココロの鼓動に呼応し、ドクン…ドクン…と波動を生じさせた。


「念には念を入れないとね。」


 ココロは魔石と同じ赤紫色の放光を纏い、みるみるうちに体が育っていく。スラリと手足は綺麗に伸び、豊潤に実った肉体で和希より少し高い背丈で立ち上がる。


「…その姿は……」


「……ありがと。かずき。これでもっと戦える」


 セラのために勇み足を踏むココロの姿が、和希にはなんだか誇らしく思えた。


「よし、じゃあ改めて、行こうか。」


 和希とココロはカミサマの像に手を触れた。




 世界が暗転する。


「……ここは…?」


 ココロが気が付くと、そこは先程まで居た礼拝堂。ただしひとつ違うところは、カミサマの立像がひとつ、ふたつ、どころではない。周囲を見渡してみると、ココロから一定の距離を保って同じ像が一周ぎっしりと並んでいる。


 その中のひとつがガタガタと床を打ち鳴らしながら揺れている。


 ココロは他の像にも目をやりながら、和希やセラが近くには居ない事を察する。


 ゆっくりと、震えるひとつに近寄って手を添えた。




像の動きが止み静まりかえる。




ココロの背後で今度は反対側の一体がガタガタと音を鳴らした。近寄って、手を伸ばすと今度は触れる前に別の像が体を揺らす。


ココロはそちらに一歩足を踏み込む。


一斉に、全ての像が震え始めた。



 ココロはピタリと足を止め、あごに指を当てて考え込む。前を見据えたかと思えばすぐ近くにあった蝋燭台を手に取る。



 そのまま目前の一体を思い切り殴りつけた。

メメントモリ

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