幼ロリ2(900字)
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「は! 宿題をわすれたのです!」
セラは突然口ずさんだ。
「ちょっと学校にいってきますです~」
「えっ、もう日が暮れるよ……」
ココロの制止も届かぬうちにセラは突風のように玄関から出て行った。
「あっ! ……どうしよ」
ココロはセラを案じた。見た目はココロと同じくらいだがセラはまだ幼いところがある。ひとりで行かせるのは何かと不安だった。
ココロはあれこれと思案の後、その辺にいた和希を連れてセラに付き添うことにした。幸いセラはそこまで足が速いわけではなかったためにすぐ追いつくことができた。
「とうちゃくですっ!」
セラの元気な掛け声とともに聖女学校が見えてきた。
中に歩を進めながら、和希はココロに問い掛ける。
「あの~、俺って必要だった?」
「何があるかわからないでしょ。最近脱獄した悪い奴も街中にいるらしいし。大事を取って、セラみたいな小さい子は見守らなきゃ」
和希はココロの背丈を二度見してから素直に後に従った。
セラは持ち帰り忘れていた宿題を見つけると、満足げにココロたちに感謝を述べ帰り支度をした。
「思いだせてよかったね」
「はい!」
そんな何気ない会話をしていると、目の前に豪勢で大きな一室が見えてきた。中には木造の長椅子や金色の蝋燭台が並べられている。
「おぉー、……ここは何するところなの?」
「ここは礼拝堂です! 学校のみんながあつまったりするんですよ!」
セラはそそくさと中に入り、カミサマらしき像の前で祈りのポーズに入る。
「おっ、現役シスターの祈りの時間じゃん。拝んどこ」
「えー」
和希はセラの近くまで行き、てきとうに二拍手一礼する。ココロも戸惑いながら真似をした。
――夕陽が差すステンドグラスに照らされて、3人はまるで神々しい存在になったような気分になった。
「――……おい、ココロ!」
妙に焦った声を出す和希に肩を叩かれてココロは祈りから目を開く。
目の前からはセラが消えていた。
「え……」
その場にセラは居なかったが、見上げるとカミサマの像に異変があった。胸の辺りに波紋が広がり、黒い影が入り込んでいくのが見えたのである。
「かずき、あれって……」
「大事を取って正解だったな。ココロの言う通り、見守ってなきゃ危なかった。」
和希はココロの肩に手を置いて意気込む。
「よし、助けに行こうか。」
神聖な礼拝堂に黒い影があるなんて世も末だぜ