3.麻人君ってばまた下駄箱にラブレターあったってよ
ピンポーン
おや、さっきこの展開さっき見たぞ?あ、でももしかしたら政府の人かもしれないし……いやインタホーンみて知らない人だったら無視しよう。そうしよう。
『政府の清原というものです。こちらに住んでいる中野天智さんの元に光が降ってきたという情報をがありましたのでお伺いいたしました。』
政 府 の 人 だ っ た !
ねえこれまずいんじゃない?やばい寄りのやばいだよね!?どどどどうしよう…
「ぼ、僕を監禁しに来たんですか!?あれですよね!!保護とか言って監禁するやつですよね!!」
『そ、そんなことはありません!確かに疑心暗鬼になるのもわかりますが…』
どうやら相手の様子をうかがうに本当にそんなつもりはないようだった。麻人に多分平気そうというと頷いた。昔から人間観察が好きだった僕の人を見る目を信用しているのだろう。こいつそういうところはちゃっかりしてんだよなあ。
「と、とりあえずインターフォン越しから話してもらってもいいですか」
『もちろんです。我々政府は今回のことに対して一般人に被害が出ないように対策をとることに致しました。中野さんのように恐れている対象者もいるかと思います。しかし能力を使っての殺し合いですから能力は殺し合いができるようなものだと仮定します。おそらく人によっては一般人も殺してしまう人がいると思うんです。だからとりあえず政府の能力者が一人一人お伺いしているんです。』
なるほどね、頭ごなしに収集するわけではないということか。清原さんも能力者ということは万が一が起こってもいいようにということか。こちらとしたら怖いが政府も考えたものだ。最悪の場合相打ちになるようにしている。
「どうぞ入ってください。僕はあなたを信じます。」
鍵を開けて清原さんを中へ入れる。清原さんは恐る恐るといった様子で少し震えていた。彼女も死にたくはないのだろう。政府は酷なことをする。
「…!後ほどお伺いする予定だった柿本さんまで…お二人は何か今後のことについて話し合いをしていたんですか?」
「僕たちは幼馴染で相手の考え方が大体読めるしこの状況で一番信頼できると思ったんです。僕たちは人を殺してまでお金が欲しいとは思いません。しかし人を集めて藤原という人を殺しに行こうとも思ってません。人殺しにはなりたくないし。」
さっきまで考えていたことをいきなり述べてしまったので麻人と意見は合わないかと思ったが同じ意見だったようで大きくうなずいている。
「それに俺はともかく中野君の能力は人なんて殺せないようなものなんです。まだ俺もちゃんと見てないので何とも言えないですけどあの時の表情的に大丈夫だと思います。」
麻人は俺の弁解までしてくれた。さすが持つべきものはイケメンだな。
「えっと、では能力をお聞かせ願えますか?まずは私も紹介しますので…。私は別のものに化けることができるんです。私も直接的ではないし計画性によるだまし討ちはできますが正面から来られたら何もできないので…」
なるほど確かにそれは怖いな。俺だったらたまひゅんしてると思う。
「改めて俺の名前は柿本麻人。能力はどんな長さの剣でも出せることです。あと俺、前世の記憶あります。」
麻人も清原さんを信用しているのだろう。また爆弾発言をかました。
「え、それはほんとうですか!?」
「はい。俺は前世詩人でした。そして犯人は各人が書いた詩だと言っている。清原さんの前世も何となく予想がつきます。でも俺が前世でのった詩集は多すぎる。だから決定的な何かが欲しい。もう少し待ってくれますか。」
清原さんは最初とても驚きましたが少し考えると頷いた。
「詩を元に犯人は能力を与えたといっていますしある程度予測できるとこっちも対策を立てやすくなります。それにあなたたちはこんなにまっすぐに言ってくれる。信じます。」
正直どうなるかと思っていたので焦ったが何ともならなくてほっとした。ビビらせんなよもう。
「ぼ、僕は泣くことです。その本当に役に立たないといいますか…何にもしようがないといいますか…」
女の子の泣き落としだったらまだ効くだろうに…
「確かにそれは何もできませんね、少なくとも殺せないという証明にはなるでしょう。政府も特に何も言及してこないでしょう。しかしそれでは犯人の元へはいけないのでは…」
そうなんだよ!!そこが問題なんだよマジでどうしよう。もんもんと一人でそのことで悩んでいると横から麻人がため息をついていった。
「だからお前は童顔だし小さいし女に間違えられるくらいかわいいから泣き落とし聞くって交渉の時もそうすりゃいいだろうが。」
「ちいさいいうなああああ!」
こいつ俺が小さいのはなにかの掟で昔から決まっていたことかのようにいうじゃん…いや昔から背は低いほうだったけどさ!だれだよ、保健の授業のとき『今背が低い人は将来大きくなる可能性が高いです』とか言ったくそはよお…お前んちの靴下全部裏返しにしてたたんでしまってやる。
「中野さんなら行けそうですね、ふふ」
あ、清原さんまで笑ったな。この人さっきまで真剣な表情していたからわかんなかったけど笑うとめっちゃかわいいな。
「そういやさっきの話に戻りますけど、俺の前世と中野の前世は把握しててこの二人が載っている詩集からは絞れると思うんです。というかもう見当はついてるんですけどね。」
清原さんは目を丸くしている。俺はこいつ本当に頭いいな○ね。くらいにしか思っていなかったんですけどね。
「と、ともかくこれから私も仲間を集めてみます。お二人も無理しない程度にご協力していただけると幸いです。…どうかご無事で」
「はい、清原さんも無理だけはしないでくださいね。」
俺たちは玄関で清原さんを見送るとほっとした。
「なにもなくてよかったなー」
麻人はだまったままこちらを向いている。どうしたんだろうか
「なあ、それだけはやめてくれよ」
「何を!?」
今日も麻人君は元気に意味不明だった。
ポ○キーがおいしい季節になってきましたね!一年中食ってますけど。
今回更新遅くなって申し訳ないです。今度から少しプロット整理するのでまた遅くなると思います…
目標としては月二回の投稿ですね。安定してきたら曜日とか時間とか設定しようと思います!
ではまた、今度は中までチョコたっぷりなト○ポがおいしい季節にお会いしましょう!