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惑星の昼

作者: 星野☆明美
掲載日:2018/11/18

地球から遠く離れたバーナード星の惑星の一つに不時着した宇宙船は大破してしまった。乗組員は脱出ポットで本船からわずかに離れた地点に降り立ったが、ここは太陽系ではない。想像を絶する程の低温が彼らを襲った。

バーナード星は赤色矮星で、恒星から離れたこの惑星は昼間のわずかな時間だけマイナス170度まで気温が上昇するが、それ以外は極寒の地獄のような世界だった。

公転周期と自転周期が重なり、地球の200年にあたる一日が始まる。

ラルフは霜で張り付いたまつ毛を開き、光を見た。

「俺は何をしてたんだっけな?・・・そうだ、地球に向けて救援の要請をしなきゃならない!」

ようやく凍った時間から脳が解放されて考え始める。

身体は全く感覚が麻痺してしまって、本当に自分は生きているのかと疑ってしまいそうだった。

宇宙服の生命維持装置はか細く、心もとなく稼動し続けている。

脱出ポットに他に3名の乗組員が乗っているが、彼らと連絡がとれない。

ラルフは船外に出ていたため、惑星の夜にさらされるはめになったが、こうして恒星のわずかな熱で意識が戻った。

他の者の心配もしたかったが、まず、自分の任務を優先させなければならないだろう。

しかし、どうあがいてもラルフは動くことができなかった。

恒星がわずかに移動して行くのをただ見続けるはめになったら、君は何を考えるかい?絶望?焦燥?それとも・・・

その時、この惑星の生物がラルフに忍び寄ってきた。

アメーバに似た外観で、ビルの30階建てくらいの大きさだった。

ぬらりぬらりと動くやつらは・・・そうだ。やつらは複数で移動していた。・・・ラルフを包み込み、折り重なって互いに情報を提供しあった。

やがてやつらの仲間が、おびただしい数の仲間が、脱出ポットの方もいっせいに包み込んで、大破した宇宙船にも押し寄せていった。


「・・・こちら、宇宙船セラミー号。私はラルフ。バーナード星の惑星付近で船が故障したが、無事、地球へ帰還がかなった。もう一度繰り返す。こちら、宇宙船セラミー号。地球政府応答願います」

地球側は返事をよこさなかった。

あまりにも永い時間が経過していた。

「着陸しましょう」

ラルフの仲間のキャサリンが言った。他の誰にも異存はなく、彼らの船は地球の大気圏に突入した。

進化したせいでラルフたちと遺伝子が違う人類がいた。

不思議そうに出迎えた彼らは、ラルフたちが連れ帰った異星の生命体が造り出すテクノロジーに目を丸くした。

朝日が昇る。

虹色のアメーバの群れが、地球の太陽光でキラキラ輝いた。


MBSラジオドラマ短編小説賞にこの作品を応募しようと思うのですが、第3回は12月1日からの期間内に応募した作品が対象なので、一度削除して投稿すべきか迷いましたが、多分後書きを追加したら最終更新が12月1日になると思うので、それでいってみます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 親切アメーバーにせっかく助けてもらったのに、地球に帰還したら……どうしてこうなった?! 星野さまのこの「なんじゃこりゃ」ワールド、ツボですよ(笑)
2019/05/08 14:28 退会済み
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[一言] バーナード星って、太陽系に最も近い単独の恒星でしたっけ? 無人機では判別できない謎アメーバ…親切かどうかは分からないけど、いるかも (((( ;゜Д゜)))
[一言] どうしてこういう設定になったのかが気になるような、お話でした・・・。 不思議と、明るい煌めきを感じました。オーロラのような・・・。(文章の色と言ったらいいのか)
2018/11/18 21:45 退会済み
管理
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