第一話 王国の夢
カタカタカタカタカタカタカタ...カタン!
カイン「はー...ようやく編集終わったぁ...」
俺の名は田中カイン。
いちおう動画を投稿している以外はいたって普通の高校2年生だ。
カイン「それにしても、この動画けっこう編集難しかったからな...8時間もかかっちゃったよ....まぁ、いいや。今昼だしなにかやってないかな」
カイン「ハハハハwwやっぱりこの番組は昼見るに限るなwwいつも昼に見れてないんだけどなwハハ....」 ピンポーン!!
カイン「お...誰か来たみたいだ。まぁ、いいや。録画ししてるから後で見よ」
ガチャ!!
カイン「おー!モミジとアベルじゃんか! それにしてもなんか久しぶりだなアベル!!」
アベル「まあ、色々忙しかったからな。」
カイン「それはそうとして、二人とも今日はどうしたんだ?」
モミジ「今日は久しぶりに3人でゲームしたいと思ってね」
カイン「ああ、そうか...なら二階にいるシンもいっしょにどうだ?」
アベル「ああ! いいぜ」 モミジ「私もいいよ」
カイン「やっぱりマラオは面白いな」 モミジ「確かにそうだね」
ピョーン!!
ブロックの中から輝く花が出てくる。
そして、俺のコントローラーが反射的に動いた。
カイン「よし! いただきぃぃ!!」
部屋中にBGMが響き渡る。
カイン「あっ、シン! ずるいぞ! 人のスターを横取りするなんて」
シン「ずるい? くっくっくっ....時代遅れの言葉だな兄ちゃん。今の時代は実力社会だ...ようはな」
シン「早い者勝ちなんだよ!!」 バァァァン!!
字幕「ゲームは楽しく遊びましょう」
シン「よし、このまま駆け抜けるぜ!!」
アベル「おい、そんなに爆走してると穴に落ちるぞ」
シン「穴に落ちる? そんなもの...この天才ゲーマーの俺がするわけな....」
シンが穴に落ちた途端、周囲にゲームオーバーのBGMが響き渡る。
チーーーン........
全員(ほら、言わんこっちゃない...)
それから、どれだけの時間が経ったのかは分からない。
しかし、日が暮れるまでやったということだけは今でもはっきりと覚えている。
カタカタカタカタ....カタン!!
シン「なんか疲れてきたしこんぐらいで休憩するかな....」
モミジ「うん、そうだね」
カイン「それじゃ、おやすみー....」
城がものすごい勢いで燃えている。
?「何だこれは!? 火が....火が城に燃え移ってるぞ!!! 早く他の奴らを助け出せ!!」
兵士「無理です!! ヴォルザードさん!! 火が強すぎて近づくことすらできません!!!」
ヴォルザード「くそっ!! どうしてこんな事になった.....こんな事になったんだァァ!!!」
カインが激しい音を出して、目を覚ます。
カイン「ここは....どこだ!?」