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異世界ギルド飯 ~最強メシでまったりスローライフ~ 作者:白石 新
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魔王とおでんと自衛隊 その4

「大蛇じゃっ! とてつもない大きさの大蛇がおるっ! うむむ……あれほどの大きさ……あれはウロボロスの眷属かえ!? な、なんとっ!? あれは混乱魔術を使うか? 人間が飲み込まれていくぞ!? と、時にお前様よ! 人間が大量に襲われておるぞ!? たっ、たっ……助けんでも良いのか!?」
「助けんで良いから」
 そんなこんなで俺たちは電車に乗り込んだ。
 とにもかくにも一々リアクションがうるさいので、目立って仕方ない。
 巨大ビルとか間近に見たらうるせーんだろうな……と、ゲンナリしていたが、流石のコーネリアも車窓から見えた巨大ビル群を相手にしては――

「……何じゃ……こりゃあ……?」

 と、ただただ体を震わせていた。
 更に言うと、顔を青白くさせて畏怖のあまりに顔を引きつらせている始末だった。
「ところでお前様よ? 我らはどこに向かっておるのじゃ?」
「始まりの場所だよ。そこで全てをお前に話そうと思う」
 そうして電車に揺られること2時間。
 最後の方はウトウトと軽く頭で船を漕いだが、ようやく俺達は横浜の住宅街へとたどり着いた。
「少し歩くぞ?」
「うむ」
 言葉通りに駅から降りて10分ほど歩く。
 と、そこには商店街があった。
 少し寂れた商店街を更に歩くと、古いけれど温かみを感じる外装の洋食屋さんが見えた。
「腹減ってねーか? コーネリア」
「まあ、今日は何も食べておらんからな」
 洋食屋さんのドアを開くとカランカランと鈴の音が鳴った。
 夕方の営業前と言ったところで、仕込み途中のマスターが厨房でジャガイモの皮をむいているところだった。
「ご無沙汰しております」
 頭をぺこりと下げると、60歳そこそこの白髪のマスターが人懐っこい笑顔を作った。
「ああ、キミか……まあ、私にとってはキミが以前に現れたのは文字通りに最近の事なんだがね。何か食べていくかい?」
「エビフライカレーを2つでお願いします」
 テーブル席に案内され、俺たちは氷水の入ったコップを受け取った。
「少し待っていてくれるかな」
「はい。よろしくお願いします」
 再度俺が頭を下げたところで、コーネリアが俺を見てマジマジと目を見開いている事に気が付いた。
「どうしたんだよ?」
「いや、お前様が……頭をペコペコ下げるような姿は滅多に見れん故……基本、誰にでも偉そうじゃからの」
「はは。まあ、そうかもな」
 自分でもそれは自覚があるだけに返す言葉もねーな。
「この店はお前様が一目を置く程度には美味いのか?」
「一目を置くどころか……まあいいや。ちょっと待ってろ。食えばわかる」
 そうして待つこと10分程度。
 エビフライカレーが俺たちの前に出された。
 香辛料の香りと揚げたてのエビの香りが食欲をそそる。
 よほど腹が減っていたのだろう。コーネリアはフォークを手に持つと同時にエビに突き刺してルーをソース代わりにして口に運んだ。
「……これは?」
 目をパチクリとさせた後、コーネリアはテーブルにフォークを置いた。
 次に彼女はスプーンでルーとライスを口に運んだ。
「……これは……何という……こと……じゃ」
 俺もまたプリップリのエビを口に運ぶ。
 うん。やっぱりこの味だ。
「やっぱりまだまだ敵わねえな。なあ、コーネリア? ここのカレーは俺のより美味いだろ?」
「……確かに……お前様よりも美味い。しかしお前様を超えるような料理人が……存在すると?」
 戦慄を覚えているかのように、コーネリアは肩を小刻みに震わせている。
 ってか、大げさな奴だな。たかが飯で震えるなよ。
「ぶっちゃけた話をすると、この世界では俺なんて一山幾らの料理人だよ。ちゃんと修行はしているが、俺より上なんてここのマスターをはじめとしていくらでもいる」
「のう、お前様よ?」
「ん? なんだ?」
「ここは何なのじゃ?」
 軽く息を吸って俺はしばらく押し黙った。
「ウチの店の姉妹店だ」
「姉妹店……じゃと?」
「ああ、こっちが姉で俺のところが妹だな」
 天井に視線を移して、どこから話をするべきか……としばらく考える。
「元々ウチの店の開祖は1000年前に俺たちの世界に降り立った転生者だったんだ。そして、ここがそのご先祖様の実家になる。そんでもって、あのマスターがご先祖様の実父となるんだ」
「1000年前の出来事なのに……何故に実父が生きておるのじゃ?」
 狼狽しながらマスターを指さすコーネリアに苦笑しながら俺は言った。
「順を追って話をさせてくれ」
1月15日ころ書籍2巻発売です。ネット書店さんでも予約開始しているようです。
よろしくお願いします。
書籍用の書き下ろしエピソード【姫騎士とオーク】もありますのでお願いします。
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