挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界ギルド飯 ~最強メシでまったりスローライフ~ 作者:白石 新
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

67/75

魔王とおでんと自衛隊 その1

 コーネリアが賄い飯を残すようになった。
 と、いうか、俺の作ったものにあまり口をつけなくなった。
 どことなく痩せた……というか、やつれたような印象も受ける。
 おバカで能天気だけが売りみたいなキャラなのに、一人の時は何やら考え込んだりしている。
 ふーむ、これは良くねえな。
 と、そんなこんなで今は仕事を終えて、後は帰るだけという時間に差し掛かったいる訳だ。
「のう、お前様よ? そろそろ教えてくれても良いんじゃないか?」
 コーネリアの指さす先にはステンレス製の扉がある。
 絶対に開いちゃダメだとコーネリアに口を酸っぱくして言っているドアだ。
 まあ、何しろあのドアの向こう側にあるものを……この店に来てすぐの状態の時のコーネリアにだけは絶対に見せる訳にはいかなかった。
 だから絶対に見てはいけないと言っていたのだが……だが、こいつが来てから随分と月日がたった。
 そろそろ頃合いか……というのもまた事実だ。
 こいつはこいつで色々悩んでいるみたいだし、そもそもこいつをここに引き取った時点でこうなることは分かっていたことだ。
 こいつは文明を滅ぼす魔王なのだ。
 だったら、この問題はいつかは決着をつけなければいけない。
 あの扉の先にあるモノを見て、こいつが何を思って何をするのか……そろそろこいつを信じてやっても良い時期が来た気もする。
「なあコーネリア? あの扉の先には何があると思う?」
「我は知っておるぞ? あの扉を開いた先には灰色の部屋があるのじゃっ!」
「見たのか? お前?」
 言いつけ破りは想定外だ。
 だが、まあ、その先の肝心なものまでは見ていないだろうし……。
「良し、それじゃあ行こうか」
 ステンレス製のドアを開き、コーネリアを招き入れる。
 コンクリート打ちっぱなしの6畳間だ。
 部屋の中にはテーブルが一つだけある。
「のうのう? この薄い板はなんなのじゃ?」
 コーネリアが手に取ったそれは、ご先祖様の残したスマートフォンだ。
「スマートフォンだよ」
「すまーとふぉん?」
 そして、俺はステンレス製のドアから対面に位置する、少し赤さびの混じった鋼鉄製の扉に目を向ける。
「のうのうお前様よ? 我の力でもあのドアだけはどうやっても開かなかったのじゃ」
「まあ、そりゃあ開かないだろうな。あれは次元と空間を超越したドアなんだから」
「次元と空間……とな?」
「ああ、そして、扉の先には今のお前が見なくてはならない世界が広がっているんだ」
「我が……見なくてはならない?」
「だから、俺は……お前にあっちの世界を見せることにした」
「あちらの世界……前々から気になってはおった。この店の仕入れからお前様の技術から何から……全ての謎はそこにあるのじゃな?」
 ああ、と俺は頷いた。
「どこにつながっているの気になるか?」
「うむ。気になるのじゃ。気にならんわけがあるまい」
 そこで俺はカレンダーに視線を移し、そして腕時計を取り出した。
「おい、紙とペンもってこい」
「うむ……?」
 何を言っておるのじゃこやつは……という表情を作りながらも、コーネリアは素直に紙とペンを持ってきた。
 そうして俺は紙にペンを走らせる。
 図を描いて、簡単な数式を解いていく。
 俺はペンを持ったままカレンダーをめくり、1か月後の水曜日と木曜日に丸印をつけた。
「この日は店は定休日にするからな?」
「ふむ? どういうことじゃ? 水曜日と木曜日は定休日じゃなかろうに?」
「定休日って言い方は悪いな。正しくは臨時休業日……だな。あのさコーネリア? お前……この扉がお前の力開かないって言ってたよな?」
「うむ、その通りじゃ」
「その日になれば扉は開く。だから、臨時休業だ」


1月15日ころ書籍2巻発売です。ネット書店さんでも予約開始しているようです。
よろしくお願いします。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ