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独白
私は彼を知りたかった。
私は彼を助けたかった。死にたいと苦しみ喘ぐ彼の姿を見て、私はそう思った。
結局私にはそれができず、燃え広がる炎の餌食となったのだけれど、彼を想うこの愛だけはきっと本物であったはずだ。
何もかも私には足りなかったけど、彼を想うこの気持ちだけは、世界中のだれにも負けない。
彼を愛していた。彼を愛している。
この気持ちはだけは決して燃え尽きることはないだろう。
私が死んでも、もう一人の私が気持ちを受け継ぎ、何世代にも渡って彼を救おうとしてくれるはずだ。
流れる大河のように。
私はここから始まる。
私はこの、燃え尽きる死体から、私の物語は始まる。