2人の記憶
今回は二人の記憶について書くので視点が飛びます。まずは真君の視点から話したいと思います。
「はっはっはっ!」
息を弾ませながら彼女を追う。走り去った先は分からなかったが何となく予想はついた。
「さっきの記憶は・・・・・・・・」
あの釘に足が引っ掛かりこけた時、僕はまた意識を飛ばしていた。その時に見た記憶は正直信じられないものだった。内容もとんでも無かったが、それよりも彼女が、さっきまで一緒に居たツインテールの女の子が出てきたのだ。
「カナ・・・・・」
僕は女の子の名前を呼びながら彼女いや、カナがいるであろう場所、保健室に向かった。
保健室
「カナ!お誕生日おめでとう!」
私の前では男の子が・・・・・・いや、真君が私に小さな箱を差し出していた。
「ありがとう・・・・真・・・・」
私が箱を開けるとそこには私がさっき拾ったゴムが入っていた。
「絶対・・・・・大事にするね・・・・・・・」
そこまで見て、私は覚醒した。
「真・・・・・・・?」
そうだった。私は真君、いや、真のことを前から知っていた。いや、知っていたというレベルではなく仲も良かったのだろう。
「おーーい!!」
向こうから真が走ってくる。
「真・・・・・・・・」
そう呼ぶと真はびっくりしたような顔になる。
「どうしていきなり呼び捨てに!?」
私は迷ったがすべてを話した。
私が記憶を取り戻したこと、真のことをどうやら前から知っていたらしいということ。そして、
「私の名前は・・・・・徳田・・・・・」
「カナ・・・・・・だろ?」
今度は私が驚く番だった。
「真・・・・・思い出してたの?」
そういえばさっき、押し倒された時やけに反応が無いなと思ったが、何らかの記憶を取り戻していたらしい。
「それで?どんな記憶だったの?」
そう聞くと真は
「・・・カナと一緒に居たときの記憶だったよ。」
と言った。でも、
(なんか・・・・一瞬言い淀んだ気が・・・・・・)
気のせいかな、とその考えを振り切った。
「あー、お腹空いた。真、食堂に行こうか。」
「おう!」
そうして、私と真は食堂に向かうことにした。
真が見た記憶は後の機会に書くことにします。結構物語の核心に触れてくる(?)の記憶なので。次回は普通に真視点でいきたいと思います(笑)