出会いと驚き
「なぜ、あなたは泣いているの?」
後ろから突然声をかけられ私は振り向いた。そこには水色の髪の毛を背中まで伸ばした女の子がいた。
「どうして泣いているの?」
その女の子は問いかける。
「・・・・・立て続けに2人もの友達との別れを経験したからよ・・・・」
そう呟くと女の子は
「そっか・・・・・」
と呟いた。そして、
「あなたは何をしているの?」
と違う質問を問いかけてきた。
「自分の記憶を探しているの・・・」
私はそう呟いてから首を振った。
「ううん、違うわね。私はね、人を探しているの。」
そう言い直す。
「そっか・・・・・じゃあ、私も一緒に探してもいい?」
「一緒に?」
「うん、あなたといたら何か面白そうな物に出会えそうな気がするの。」
面白そうな物・・・・・・か・・・・・・
私はいつのまにか自分が流していたはずの涙が止まっていることに気づいた。
「いいわよ、あなた名前は?」
「私の名前はね、優花。佐々木 優花よ。」
自分の名前を言えるってことはもう記憶をいくつか取り戻してるってことだけど・・・・・
そこまで考えて一つの驚愕の事実に気付く。
「佐々木!?」
「どうしたの?いきなり大きな声だして?」
優花ちゃんが首をかしげる。
「ねぇ、佐々木 真って名前に聞き覚えは?」
「あるよ。っていうかお兄ちゃんだし。なんでお姉ちゃんお兄ちゃんのことを知ってるの?」
「私が探している人っていうのがその真だから・・・・・よ。」
またいつのまにかいなくなっていた真のことを考えて涙が出かけた。
「お兄ちゃんを・・・・・?」
そういえば大切なことを聞くことを忘れていた。
「優花ちゃんはどこで目がさめたの?」
「私?私はねー・・・・・この階の宿直室だよ。」
「そこに案内してくれないかな?」
「わかったー。」
私の考えが正しければそこには私の探している絵本があるはずだ。




