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別れ-図書室に巣くうもの-

なんか、段々と更新する時間が長くなっていってる気が・・・・・


「次に行くべきは・・・・・・・図書室・・・・・だね。」


私は汐君にむかってそう言った。


「まぁ、どこにいっても一緒のような気もするしな。」


そう言って汐君も同意してくれる。


そうして図書室に来たのはいいのだが・・・・・・・


「広すぎへんか?ここ。」


「汐君って、ここに通ってたんじゃ無かったの?」


思わず突っ込んでしまう。


「いや、そのはずなんやけどなんかワイの記憶と違うんや。まぁ、ワイが図書室になんかほとんど行くことも無かったってだけかもしれへんけどな。」


確かに汐君は言ったら悪いがあんまり本を読むタイプには見えない。


「まぁ、一応探検といきましょうか。」


そう言ってから私は図書室に踏み込んだが。


「!!あかん!下がれ!カナ!!」


その声に振り向いた瞬間、腕を引っ張られ図書室の外まで放り出される。


「いたたた、もう、汐君!なにす・・・・・」


その言葉を私が最後まで言うことはなかった。


「汐・・・・・・君・・・・・・?」


私の目には図書室に倒れ伏した汐君の姿だった。


「へ・・・・・?」


私はそのまま、汐君の方へ行こうとした。しかし、その時肩に手がおかれ、


「やめておけ。お前もあぁなりたいのか?」


という声がした。


思わず振り返る。その声はとても懐かしく、今最も聞きたい声だったからだ。


(真!?)


しかし、振り向いた先にいたのはフードを深めに被った男だった。前もそうだったが顔はよく見えない。


思わずがっかりした。


(真の声とコイツの声を聞き間違えるなんて。)


しかし、今はそんなことを言っている暇はない。


「どうして図書室に入ったら私もああなるなんて言えるの?」


その問いにフードの男は答えず、一冊の絵本を出した。


それは、私たちが探していた絵本と同じものだった。


「なっ!?」


私は急いでそれを開ける。


しかし、それは期待していた絵本の続きではなくとんでもないことが書かれていた。


『図書室には記憶をすいとり、糧とする魔物がいた。その魔物はそこまで力が強くなかったのですいとることができる記憶は雀の涙ほどで、図書室を利用していたものも物忘れ程度ですんでいた。しかし、鬼がこの世界の神とも呼ぶべき存在により葬られたとき、鬼の悪の部分がこの魔物にうつり、その魔物の力を増幅させたのだった。それからは図書室に入ったものは自己を形成する全ての記憶を奪われ、ただの肉の塊となるのであった。』


つまり汐君は記憶を全て奪われてあんな風になったと考えられる。


「つまり、今はどうしようも無いってことね・・・・・・」


フードの男が頷く。


私は名残惜しかったが汐君をそのままにして図書室を去った。

次回は今回のタイトルの真逆のタイトルにするつもりです。

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