出会って
というわけで2話目でーす。可能な限り1日1更新を目安に頑張っていきたいと思っております。
自分探しをやると決めて校舎内に入ってから1時間が過ぎた。しかし未だに「鍵」とやらは見つからない。それどころか他の誰とも出会わないのだ。
「まぁ気長に探していくとするか。」
そう呟いて歩き出した僕の視線の先で何か動いた気がした。
「何だ?」
その方向に向かう。
そこには・・・・・・・・
ゴキブリ相手に腰を抜かしている女の子がいた。
「こっ、来ないで!来ないでぇ!」
その女の子はゴキブリ相手に懇願しているようだ。金髪のツインテールが怯えたように揺れている。しかも怯えてるせいかスカートがヒラヒラして中身が見えそうで目のやり場に困る。
(ゴキブリ相手に懇願したところで聞いてくれるわけが無いじゃねーか)
そう突っ込みたくなったのをこらえて僕は無言でその女の子の脇を抜け、ゴキブリを踏み潰した。
「大丈夫か?」
「あっ、ありがとうございます。私、ゴキブリってほんとに駄目で・・・・・」
そこまで聞いて僕の意識はいきなり暗転した。
「おい!真!どうしたんだ?」
誰かの声がする。
「真?」
誰かが僕を覗きこんでいる。
「おーい、佐々木真君?」
「どうしよっか?真のやつゴキブリ踏み潰して固まってやがる。」
「はっ!?」
僕は意識が暗転したのと同じように直ぐに覚醒した。
「佐々木・・・・・真・・・・・・」
なんだか懐かしい感じがした。
「どうしたんですか?」
隣から女の子の声が聞こえる。
「いきなり意識を失ってたみたいなんですが・・・・・」
「ごっ、ごめん。もう大丈夫!」
「えっと・・・・・・何かあったんでしょうか?」
「どうやら記憶が一つ戻ったみたいだ・・・」
確証は無いがあれが自分の記憶だと確信出来た。
「どうやら僕の名前は佐々木 真みたいだ。」
「そうなんですか!それは良かったです。私はまだ何も思い出せてないので少し羨ましいです。もしよかったら一緒に行動していただけませんか?一人より二人の方が効率も良いでしょうし、何より・・・・・・・」
「何より?」
女の子は少し照れたように赤くなって
「もう、こんなに怖いところで一人でいたくありませんから。」
といった。思わず笑ってしまった。
「あはは、こちらこそよろしく。」
こうして、僕、佐々木真は金髪のツインテールの女の子と一緒に行動することになった。
次の話はこのツインテールの女の子目線で書きたいと思います。