愛する人へ
「何でだよ?・・・・・・・」
僕は・・・・・いや、俺は死んだはずだった。
屋上から飛び降りて・・・・・・・・・
ふと思い出す。
「そう言えばあの声が言ってたっけ?」
どんな状況であれ死ぬことは無いとか言ってたっけな。
「あは、ははは。」
今はただ、死にたかった。こんな自分が許せなかった。どうしたらいいかもわからずに俺はただ笑った。
時間は3時間前に巻き戻る。
僕たちは生徒会室に行く前に職員室を探索しようということになった。
ちょうど、鍵も見つかったからだ。
早速職員室の鍵を開け、探索を開始する。
ほどなくして汐の声が聞こえた。
「あったで!」
どうやら汐の鍵があったようだ。そして、
「私も!!」
カナも順調に取り戻したようだ。どうやらここには皆の記憶があると見て間違いないだろう。後は僕の記憶だけなのだが・・・・・・
ふと一本のバットに目をむけた。
「まさかな・・・・・・」
そう呟きながらも僕はそれに手を伸ばした。
すると僕の意識はあっという間に飛んでいった。
「ここは?」
どこかで見たような気がする。
僕の右手にはバットが握られていた。
後ろから近づく足音が聞こえる。
「俺に何をするつもりだ!」
僕はその足音の主にたいして怒鳴った。
しかし、足音は変わらずに僕の方へ歩いてくる。僕はそれが段々と怖くなり右手のバットを後ろに向けて大きく降った。
バキィ
という音とともに何かを砕いた感触がする。
「ゴハッ」
後ろから聞き覚えのある。いや、いつも聞いていた愛しい人の声が聞こえた。
「へ?」
僕は後ろを振り向いた。
そこには最早息をしていないことが一目でわかる変わり果てた姿の最愛の彼女の姿があった。
「なんだ・・・・・・?これ・・・・・・」
これは確かに僕の記憶だった。僕はあの娘を愛していた。なのに、僕はその最愛の彼女をバットで・・・・・
そう考えると恐ろしくなった。
僕は誰にも何も告げることなく屋上に向かった。
そして
屋上から羽ばたいた。
次回から突然ですが主人公が交代します。新主人公は汐・・・・・ではなく、カナちゃんでーす(笑)これからもよろしくお願いします。