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魔女のおばあさんととあるお化け  作者: キオ・ノアルド
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魔女のおばあさんの悲哀

「今年も、子供らは来てくれなかったねぇ……」

 そう呟くのは町外れの森に住む魔女のおばあさんです。

魔女のおばあさんは子供たちに怖がられています。

 黒いローブに黒いとんがり帽子。

ごわごわな真っ白い髪に、しわくちゃな肌。

鳥のクチバシのようにねじくれた鼻。

「ヒッヒッヒ」という笑い声は森のざわめきとともに、不気味さを出しています。

 その姿を見た子供たちは、恐怖のあまり泣き出してしまうほど。

大人でさえも近づく人は誰もいません。

魔女のおばあさんは一人ぼっちでした。

 子供たちに広がる噂では、魔女のおばあさんがお化けの国に連れて行ってしまうと言われています。

 そんなことはないのですけどね。

「せっかく用意したお菓子も無駄になっちゃったねぇ……」

 魔女のおばあさんは悲しそうな声で呟きます。

家の中にはテーブルいっぱいにクッキーなどの焼き菓子がありました。

甘いハチミツ入りのクッキーや、ブルーベリーのジュースなど。

そこには、子供たちが大好きなおやつがありました。

 魔女のおばあさんは子供が好きなだけです。

だからこそ、毎年ハロウィンにはテーブルいっぱいにお菓子やジュースを手作りして用意していたのです。

子供たちに喜んでもらうために。

ですが、魔女のおばあさんが怖い子供たちは、森には近づいてくれません。

 だから、魔女のおばあさんがお菓子を作っても食べてくれる人はいません。

魔女のおばあさんには、テーブルいっぱいのお菓子は量が多くてとても食べられません。

食べる人がいないお菓子は無駄になってしまいました――。



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