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魔女のおばあさんととあるお化け  作者: キオ・ノアルド
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後日談3

最終話です。

【ここら辺で寝かしておこうか。あまり遠くだと面倒くさいしね】

 ジャック・オ・ランタンは、魔女のおばあさんの家の隅にある青々とした草が生い茂ったゆったりとした斜面に、魔女のおばあさんの死体を寝かせました。

 しばらくすると、物置からスコップを持ってきたノエルが現れました。

魔女のおばあさんを家の近くに埋葬するためです。

【ノエル。ボクが穴を掘るから、キミはお墓を作るのに手頃な木の枝を拾ってきてくれないかな?】

「ええ、魔女のおばあさんのこと、頼むわね」

 ジャック・オ・ランタンに頼まれたノエルは、木の枝を探しに森の中へ行きました。

 その間、ジャック・オ・ランタンはノエルから渡された大きなスコップを持って、穴を掘り始めました。

【せーのっ】

 ザクリ……ザクリ……。

 ジャック・オ・ランタンが土を掘る音だけが、辺りに響きます。

 ザクリ……ザクリ……。

 近くに住む動物はただ静かにしています。

 ザクリ……ザクリ……。

 魔女のおばあさんの埋葬を見守るために。

 ザクリ……ザクリ……。

 やがて、穴を掘る音が終わりました。

魔女のおばあさんの死体を埋める大きさの穴が、掘り終えたからです。

 そして、ちょうどタイミング良く、お墓を作るのに手頃な大きさの木の枝を抱きしめるように持ってノエルが、森の中から現れました。

「ジャック・オ・ランタン。この大きさの木の枝ぐらいしか見あたらなかったけれど、これでいいかしら?」

【ああノエル。そのぐらいで十分だよ。わざわざありがとう。ボクもちょうど、穴を掘り終えたところだよ】

「それじゃあ、魔女のおばあさんを埋めましょう」

【そうだね。そうしようか】

 二人は魔女のおばあさんの死体を、先ほど掘った穴の中に寝かせるように置くと、ジャック・オ・ランタンはスコップで、ノエルは手皿で、それぞれの道具を使って交互に土を入れました。

 やがて、土を穴に入れ直すと、ノエルが持ってきた木の枝をこんもりと盛られた土に突き刺しました。

【ふぅ、これでお墓の完成だよ】

「ジャック・オ・ランタン。お墓作りお疲れ様」

【ノエルも木の枝を持ってくるのお疲れ様】

 二人は互いに労うと、手作りのお墓に向かい合いました。

魔女のおばあさんの冥福を祈るためです。

「おばあさん……あたしはおばあさんと別れてしまったけれど、あなたの分まで生きるね。それが、あたしの育ててくれたお返しになるから」

【魔女のおばあさん……おばあさんがいつもハロウィンの夜に、大好きな子どもたちのためにお菓子を作って待っていたこと、ボクは忘れないよ。だから、お休みなさい】

 ノエルとジャック・オ・ランタンは、魔女のおばあさんに心からの感謝と別れの言葉を言いました。

 大好きだったからこそ、いづれ来る別れは辛いものです。

ですが、ただ別れに悲しむのではなく、別れた者の気持ちを大事にすることが大切なことです。

 ヒュルルルー……。

 二人が祈っていると、どこからか風が吹いてきました。

それと、誰かのささやく声もです。

 二人は風が運んだささやき声が、誰なのか分かりました。

それは、死んでしまった魔女のおばあさんです。

 まるで、二人にお礼を言うようでした。

そう、「<二人ともありがとう>」と聞こえたからです。

 二人は魔女のおばあさんのこの言葉を忘れることはないでしょう。

大好きな魔女のおばあさんのことが、心の中にしっかりと刻み込まれているのですから――。

《終》

お読みくださりありがとうございました。


……もう長文の文章で書きたくありません。


私には、詩の形式のほうが性に合うことが分かったので、それでやってきます。


童話をやるとしたら、次は童話詩にします。


ではでは

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